AIツール活用

Claude Codeを並列で動かすツールとは?Codex対応の7選を比較

中島大介(なかじ)読了時間 約41分
Claude CodeとCodexを並列で動かすツール7選を比較する記事のアイキャッチ

Claude CodeやCodexを複数同時に動かし、1つの画面で管理するためのツールが、2025年から2026年にかけて相次いで公開されています。GitHubで2万件を超えるスターを集めたものもあり、選択肢はOrca・cmux・Conductor・Superset・T3 Code・AGI Cockpit・Vibe Kanbanなどに広がりました(2026年10月1日時点)。

ターミナルのタブを並べてAIを2つ、3つと増やすと、どのAIが確認を待っているのか、どの変更がどの作業のものかが見えにくくなります。ツールごとに料金・対応OS・作業フォルダの分け方は大きく違い、名前の知名度だけで選んだ道具が自分の使い方に合うとは限りません。この記事では、AIコーディングエージェントを並列で動かす7つのツールを型で整理し、料金・対応OS・対応エージェント・worktreeの扱い・オープンソースか・日本語対応・スマホ操作の7項目で比較します。

記事を読めば、自分の使い方に合う並列ツールを選び、導入前に確認すべき点まで押さえられます。迷ったら、無料で3つのOSに対応し、作業ごとに作業フォルダを自動で分けるOrcaから試すのが近道です。

AIコーディングエージェントの並列ツールとは?Claude Code・Codexを同時に動かして管理する道具

AIコーディングエージェントの並列ツールとは、Claude CodeやCodexなどのAIを複数同時に動かし、進み具合・確認待ち・変更内容を1つの画面で管理するためのアプリです。AIコーディングエージェントは、指示を受けてコードを読み書きし、コマンドまで実行するAIを指します。並列ツールの位置付けを理解するために、押さえたい点は以下の4つです。

  • エージェント本体・AIエディタ・並列ツールの違い
  • 並列ツールはworktreeで作業フォルダを分けてAIを動かす
  • Claude Code・Codexの公式アプリでもできる並列の範囲
  • 同じ名前の別ソフトと混同しない

エージェント本体・AIエディタ・並列ツールの違い

並列ツールは、AIそのものではなく、AIを動かす側のアプリです。コードを書くAIの道具は、役割で次の3つに分けると整理できます。

  • エージェント本体(Claude Code・Codex・Gemini CLIなど。コードを読み書きするAI)
  • AIエディタ(Cursorなど。コードを書く画面にAIが組み込まれた編集ソフト)
  • 並列ツール(Orca・Conductorなど。エージェント本体を複数並べて管理するアプリ)

AIの賢さは、エージェント本体とその裏で動くAIモデルで決まります。並列ツールを変えてもAIの性能は変わらず、変わるのは複数のAIへの仕事の振り方と、結果の確かめ方です。「コーディングエージェントの比較」と「並列ツールの比較」は別の比較で、この記事は後者を扱います。

この記事で扱う7つの並列ツールは、どれもClaude CodeやCodexの契約を利用者が持ち込む方式です。並列ツールを入れても、Claude CodeやCodexの契約は不要になりません。

並列ツールはworktreeで作業フォルダを分けてAIを動かす

複数のAIに同じフォルダで同時に作業させると、同じファイルを書き換えて変更がぶつかります。多くの並列ツールは、Gitのworktreeで作業ごとに別の作業フォルダを用意して、変更が混ざらないようにしています。

worktreeは、1つのリポジトリ(プロジェクトのファイルと変更履歴のまとまり)に対して、作業フォルダを複数持てるGitの機能です。作業ごとにブランチ(変更履歴の分かれ道)も分かれるため、終わった作業から順に確認してまとめられます。worktreeの基本と手作業での使い方は、git worktreeの使い方で解説しています。

worktreeをどこまで自動で作るかは、ツールごとの大きな違いです。Orca・Conductor・Superset・Vibe Kanbanは作業ごとにworktreeを作り、T3 CodeとAGI Cockpitは作業を始めるときにworktreeを使うかを選べます。cmuxはworktreeを自動では作らず、自分かAIに作らせる設計です。

Claude Code・Codexの公式アプリでもできる並列の範囲

1種類のAIだけを並列で動かすなら、提供元の公式アプリでも足りる場合があります。Claude Codeのデスクトップアプリ(ClaudeアプリのCodeタブ)は、複数のセッションを並列で実行でき、セッションを始めるときにworktreeを選べます。対応OSはmacOS・Windowsと、ベータ版のLinuxです。Claude Code Desktop

ターミナル版のClaude Codeにも、「claude agents」で開く一覧画面(agent view)があります。バックグラウンドで動くセッションをまとめて表示し、各セッションはファイルを編集する前に専用のworktreeへ移ります。agent viewは、画面や操作が今後変わる可能性のある研究プレビュー版の機能です。Agent view

Codexは、2026年7月9日からChatGPTのデスクトップアプリ(macOS・Windows)で使えます。新しいチャットを始めるときに「Worktree」を選ぶと、Codexがworktreeを作って作業します。Codexの手引き、Codexのworktree

公式アプリで管理できるのは、その提供元のAIだけです。Claude CodeとCodexを混ぜて使い、進み具合を1つの画面で見たいときに、並列ツールの出番があります。

同じ名前の別ソフトと混同しない

並列ツールには、別の分野の有名なソフトと同じ名前を持つものがあります。検索で混同しやすい組み合わせは、以下のとおりです。

  • Superset(この記事はsuperset.shのアプリ。データ可視化のApache Supersetとは別物)
  • Conductor(この記事はconductor.buildのアプリ。Netflix発祥のワークフローエンジンConductorとは別物)
  • T3 Code(この記事はAIエージェントを操作するアプリ。Webアプリの開発キットT3 Stackとは別物)
  • cmux(この記事はmanaflow-aiのターミナル。同名のGo言語のライブラリとは別物)

AGI Cockpitの「AGI」は、人間並みの汎用的な知能を指す一般的な言葉です。この記事のAGI Cockpitは、AGIラボが提供するデスクトップアプリを指します。Apache Superset、Conductor(Orkes)、create-t3-app、AGI Cockpit

AIコーディングエージェントの並列ツールは6つの型に分かれる

並列ツールは、画面の中心に何を置くかで6つの型に分けると違いが見えます。7つのツールの型は、以下の表のとおりです。

型ツール画面の中心向いている使い方
エディタ型Orca・Supersetworktreeごとのターミナル・差分・ブラウザ作業の分割から変更の確認まで1つのアプリで済ませる
ターミナル型cmux縦タブと分割したターミナル普段のターミナル操作のままAIを並べる
Macアプリ・クラウド型Conductorワークスペースごとのチャットと差分Macで並列に動かし、必要ならクラウドでも動かす
軽量GUI型T3 Codeエージェントとの会話のスレッドパソコン・ブラウザ・スマホから同じAIを操作する
作業OS型AGI Cockpitタスクの一覧と判断待ちの受信箱大きな目的をタスクに分けてAIに任せる
カンバン型Vibe Kanbanカンバンボードタスクを計画してからAIに順に任せる

カンバンボードは、作業を「未着手」「作業中」「完了」のような列に並べて進み具合を見る掲示板の形式です。型は、どれが優れているかではなく、仕事の振り方の違いを表します。

ターミナルの操作に慣れていて画面の自由度を残したい人はターミナル型、Gitのコマンドを書かずに作業フォルダを分けたい人はエディタ型が合います。外出先からも確認したい人は、スマホのアプリやブラウザで操作できる軽量GUI型と作業OS型が候補です。

編集部が公式サイトと公開情報で確認した7ツールの比較表

編集部は2026年10月1日に、7つのツールの公式サイト・公式ドキュメント・GitHubのページを開いて、料金・対応OS・対応エージェントなどを確かめました。アプリのインストールや起動は行っていません。公式の情報で確かめられなかった項目は「未公表」と書いています。比較の項目は、以下の4つに分けて紹介します。

  • 料金と対応OSの比較
  • 対応エージェントとworktreeの扱いの比較
  • オープンソースか・日本語対応・スマホ操作の比較
  • 開発の活発さと提供元の状況の比較

料金と対応OSの比較

7つのうち、Orca・cmux・T3 Code・Vibe Kanbanは本体を無料で使え、Conductor・Superset・AGI Cockpitも無料の範囲で並列に動かせます。有料プランでは、主にクラウド実行・スマホ操作・チーム機能が増えます。料金と対応OSは、以下の表のとおりです。

ツール料金対応OS
Orca無料(組織向けのOrca Enterpriseは問い合わせ)macOS・Windows・Linux
SupersetFree(0ドル)・Pro(1人月20ドル。年払いは1人月15ドル)・EnterprisemacOS(Apple SiliconとIntel)・Linux(試験版)。Windowsは未提供
cmux無料(任意の有料版Founder's Editionあり)macOS 14.0以降(WindowsとLinuxは別製品のcmux TUI)
ConductorFree(0ドル)・Pro(月50ドル)・Teams(1人月60ドル・招待制)・EnterprisemacOS(WindowsとLinuxは未提供)
T3 Code無料macOS・Windows・Linux・ブラウザ・iOS・Android
AGI Cockpitローカル機能は無料・無制限。AGIラボ会員は月20ドルか年200ドルWindows・macOS(Apple Silicon)・Linux
Vibe Kanban無料(提供元の有料サービスは終了)未公表(npxで起動し、ブラウザで操作)

Orca、Superset料金、SupersetのGitHub、cmux、Conductor料金、Conductorのインストール、T3 Code、AGI Cockpit、Vibe Kanban

Windowsで使えるのは、Orca・T3 Code・AGI Cockpitの3つです。ConductorとSupersetのWindows版は、2026年10月1日時点で提供されていません。表の料金は並列ツールの料金で、Claude CodeやCodexの利用料金は別にかかります。

対応エージェントとworktreeの扱いの比較

どのツールもClaude CodeとCodexに対応しています。違いは、Claude CodeとCodex以外のAIにどこまで対応するかと、worktreeを誰が作るかです。対応エージェントとworktreeの扱いは、以下の表のとおりです。

ツール主な対応エージェントworktreeの扱い
OrcaClaude Code・Codex・Cursor CLIなど公式の対応表で37種類(表にないCLIも起動可)作業ごとに自動で作る
SupersetClaude Code・Codex・Cursor・OpenCode・Gemini・Devin・Antigravityなど、CLIで動くエージェント全般タスクごとに作る
cmuxターミナルで動くもの全般自動では作らない(自分かAIが作る)
ConductorClaude Code・Codex・Cursor・OpenCodeワークスペースごとに作る
T3 CodeClaude Code・Codex・Antigravity・OpenCode・Cursor・Grok作業を始めるときに選べる
AGI CockpitClaude Code・Codex・Antigravity・Cursor・Grok Build・Cockpit Agentタスクを作るときにフォルダ・一時フォルダ・worktreeから選べる
Vibe KanbanClaude Code・Codex・GitHub Copilot・Gemini CLI・Cursor Agent CLI・OpenCodeなど10種類ワークスペースごとに作る

Orcaの対応エージェント、Superset、cmuxのREADME、Conductorのドキュメント、T3 CodeのGitHub、AGI Cockpitのタスク、Vibe Kanbanの対応エージェント

AGI Cockpitは、独自のエージェントとしてCockpit Agentを用意しています。Cockpit Agentでは、OpenRouter経由のクラウドのモデルか、LM Studioで動かす手元のモデルを選べます。AGI Cockpit

オープンソースか・日本語対応・スマホ操作の比較

オープンソースのツールは、ソースコードを誰でも読めて、ライセンスの範囲で改変もできます。社内での利用条件や、画面を日本語で使えるかも選ぶときの材料です。オープンソースか・日本語対応・スマホ操作は、以下の表のとおりです。

ツールオープンソースか日本語対応スマホ操作
Orcaオープンソース(MIT)画面を日本語表示にできるiOS・Android向けの連携アプリ(ベータ版)
Supersetソース公開(Elastic License 2.0。オープンソースの定義を満たすライセンスではない)未公表Proプランでモバイル・リモートアクセス
cmuxオープンソース(GPL-3.0-or-later。サーバー側はBSL 1.1)表示言語に日本語を選べるiOSアプリ(ベータ版)
Conductorソース非公開未公表Proプランでモバイルアプリ
T3 Codeオープンソース(MIT)未公表iOS・Androidアプリ
AGI Cockpitソース非公開(GitHubは文書と配布物のみ)日本語の公式サイト・ドキュメントありAGIラボ会員向けのPWAでリモート操作
Vibe Kanbanオープンソース(Apache-2.0)表示言語の設定あり。日本語の有無は未公表未公表

Orcaの設定、Orcaのモバイル連携、SupersetのGitHub、cmuxの設定、Conductor料金、T3 Code、AGI CockpitのGitHub、AGI Cockpitのリモートアクセス、Vibe Kanbanの設定

PWAは、ホーム画面に追加してアプリのように使えるWebページの形式を指します。スマホ操作に対応したツールでも、AIが動くのはパソコンかクラウドで、スマホは指示と確認の窓口になります。

開発の活発さと提供元の状況の比較

並列ツールはどれも新しく、更新の速さと提供元の状況は導入後の使い勝手に直結します。GitHubのスター数と最新版は、以下の表のとおりです。

ツールGitHubのスター数最新版(公開日)提供元の状況
Orca8.2万件v1.4.217(2026年9月29日)Stably AIが開発
Superset約1.48万件desktop-v1.33.0(2026年9月30日)Superset Inc.が開発
cmux2.7万件以上v0.64.25(2026年9月17日)manaflow-aiが開発
Conductorソース非公開のため対象外0.89.3(0.89系は2026年9月29日公開)Melty Labsが開発
T3 Code約2.41万件v0.0.44(2026年9月30日)。プレビュー版はほぼ毎日公開T3 Tools Inc.が開発
AGI Cockpitソース非公開のため対象外v4.96.0(2026年10月1日)。9月だけで30回更新AGIラボが開発
Vibe Kanban約2.82万件v0.1.44(2026年4月24日)提供元のbloopは終了。コミュニティ運営

OrcaのGitHub、Supersetのリリース、cmuxのGitHub、Conductorの変更履歴、T3 Codeのリリース、AGI Cockpitのリリース、Vibe Kanbanのリリース

Vibe Kanbanは、2026年4月10日に開発元のbloopが会社を閉じると告知し、コミュニティが運営するオープンソースのプロジェクトに移りました。正式な版の公開は2026年4月24日のv0.1.44が最後です(2026年10月1日時点)。新しく導入する場合は、この状況を理解したうえで選ぶ必要があります。Goodbye bloop

編集部が開いたVibe Kanbanの公式サイトにも、最上部に提供終了を知らせる帯が表示されています。

AIコーディングエージェントの並列ツール7選の特徴

7つの並列ツールは、同じ「AIを並べて動かす道具」でも、得意な場面がそれぞれ違います。各ツールの特徴は、以下のとおりです。

  • Orcaは作業ごとにworktreeを自動で作る無料の開発環境
  • Supersetはどのエージェントも並べられるエディタ型のアプリ
  • cmuxは入力待ちのAIを知らせるMac用のターミナル
  • ConductorはMacで使えてクラウド実行も選べる並列アプリ
  • T3 Codeはパソコンとスマホから操作できる軽量なGUI
  • AGI Cockpitはタスク単位でAIに仕事を任せる作業OS
  • Vibe Kanbanはカンバンでタスクを管理するコミュニティ運営のツール

Orcaは作業ごとにworktreeを自動で作る無料の開発環境

Orcaは、複数のAIコーディングエージェントを並べて動かすための、無料でオープンソースのデスクトップアプリです。開発元はサンフランシスコのStably AIで、macOS・Windows・Linuxに対応しています。Orca公式ドキュメント

Orcaの中心にあるのは、作業1件ごとにworktree・AIのターミナル・ブラウザのタブを自動で用意する仕組みです。Gitのコマンドを書かなくても、AIごとに作業フォルダが分かれます。Orcaの主な機能は、以下のとおりです。

  • 37種類のCLIエージェントを公式の対応表で管理
  • Claude CodeとCodexの使用量の表示とアカウントの切り替え
  • 差分の行にコメントを書いてAIへ送る機能
  • 内蔵ブラウザで画面の要素を指定してAIへ渡す機能
  • コミットからプルリクエストの作成までアプリ内で完結

画面は日本語表示にでき、iOSとAndroid向けの連携アプリ(ベータ版)もあります。Orcaの仕組みはOrcaとはで、具体的な操作はOrcaの使い方で解説しています。

Supersetはどのエージェントも並べられるエディタ型のアプリ

Supersetは、Claude CodeやCodexをはじめ、CLIで動くエージェントを1つの画面で並べて動かすデスクトップアプリです。タスクごとにworktreeを作り、専用のブランチとターミナルを割り当てます。Supersetを使うために必要なソフトはGitだけで、GitHubのCLI(gh)はプルリクエストの流れを使う場合の任意の追加です。SupersetのGitHub

Supersetの無料プランは1人で使う前提で、ローカルのワークスペース・デスクトップアプリ・GitHub連携・CLIが含まれます。Proプラン(1人月20ドル、年払いなら1人月15ドル)は人数の上限がなくなり、リモートアクセス・自動化・LinearとSlackとの連携・モバイルが加わります。Superset料金

ライセンスはElastic License 2.0で、ソースコードは公開されていますが、オープンソースの定義を満たすライセンスではありません。デスクトップアプリはmacOS向けが中心で、Linux版は試験版、Windows版は2026年10月1日時点で未提供です。Supersetの詳細はSupersetとはで解説しています。

cmuxは入力待ちのAIを知らせるMac用のターミナル

cmuxは、縦タブと通知機能を備えた、AIコーディングエージェント向けのMac用のターミナルです。AIが確認を求めるとペインに青いリングが付き、サイドバーのタブも点灯します。本体は無料で、ターミナルで動くAIならそのまま使えます。cmuxのREADME

cmuxは、worktreeを自動で作る機能を持たないターミナルです。開発元は、worktreeを全員に押し付けたくないとして、今後も追加しない方針を示しています。worktreeは、自分のスクリプトかAIへの依頼で作る前提です。cmux home

cmuxのアプリはmacOS 14.0以降専用で、WindowsとLinux向けには別製品のcmux TUIが用意されています。cmuxの機能はcmuxとはで、Orcaとの選び分けはcmuxとOrcaの違いで解説しています。

ConductorはMacで使えてクラウド実行も選べる並列アプリ

Conductorは、Claude Code・Codex・Cursor・OpenCodeをMac上で並列に動かすアプリです。タスクごとにワークスペースを作り、各ワークスペースはGitのworktreeで作った別の作業フォルダと1本のブランチを持ちます。Conductorのドキュメント、ワークスペースとブランチ

Conductorは、パソコンに保存済みのClaude Codeのログイン情報をそのまま使います。Claude ProかMaxでログインしていればその契約を、APIキーでログインしていればそのキーを使う仕組みです。2026年9月29日の版では、ChatGPTのアカウントでのサインインにも対応しました。ConductorのFAQ、Conductorの変更履歴

無料プランでは、Mac上のローカルのワークスペースで複数のAIを並列に動かせます。Proプラン(月50ドル)ではクラウドのワークスペース・共同作業・API・モバイルアプリが加わり、Teamsプラン(1人月60ドル)は招待制です。クラウドのワークスペースは米国東部のVercelのサンドボックスで動き、送ったチャットの内容はConductorのサーバーに保存されます。Conductor料金

対応OSはmacOSだけで、WindowsとLinuxでは使えません(2026年10月1日時点)。Conductorの詳細はConductorとはで解説しています。

T3 Codeはパソコンとスマホから操作できる軽量なGUI

T3 Codeは、手元のパソコンで動くAIエージェントを、デスクトップアプリ・Webアプリ・スマホアプリから操作するためのツールです。対応するエージェントは、Claude Code・Codex・Antigravity・OpenCode・Cursor・Grokです。料金は無料で、利用者が自分の契約をそのまま使い、T3 CodeがAIの利用枠を販売することはありません。T3 Code

ライセンスはMITで、デスクトップアプリはmacOS・Windows・Linuxに対応し、iOSとAndroidのアプリもあります。インストールせずに試すときのコマンドは「npx t3@latest」です。作業を始めるときに新しいworktreeを選ぶと、「t3code/」で始まる名前のブランチで作業が進みます。T3 CodeのGitHub、T3 CodeのIssue #3651

T3 Codeは開発のごく初期の段階にあり、不具合が出る前提で使うよう注意書きが付いています。正式な版の番号もv0.0.44(2026年9月30日)と小さく、業務の中心に据える前に小さな作業で試すのが安全です。T3 Codeの詳細はT3 Codeとはで解説しています。

AGI Cockpitはタスク単位でAIに仕事を任せる作業OS

AGI Cockpitは、複数のAIエージェントに仕事を渡し、進み具合・判断の依頼・結果を1か所で管理する、AGIラボのデスクトップアプリです。対応するエージェントは、Claude Code・Codex・Antigravity・Cursor・Grok Buildと、独自のCockpit Agentです。AGI Cockpitは、Windows・macOS(Apple Silicon)・Linuxの3つのOSで動きます。AGI Cockpit

AGI Cockpitでは、仕事の単位をタスクと呼び、タスクごとに作業フォルダ・使うエージェント・会話・承認・変更したファイルをまとめて管理します。新しいタスクの作業場所は、プロジェクトのフォルダ・AGI Cockpitが管理する一時フォルダ・Gitのworktreeの3種類から選ぶ方式です。Master Agentは、大きな目的を複数のタスクに分けて、結果を統合する機能です。AGI Cockpitのタスク、AGI Cockpitのドキュメント

ローカルの機能は無料・無制限で、アカウントがなくても使えます。AGIラボの会員(月20ドルか年200ドル)になると、決まった時刻や間隔でタスクを動かすAutorun・スマホなどからのリモートアクセス・スマートルーティングが加わります。アプリのソースコードは公開されていません。AGI Cockpitの詳細はAGI Cockpitとはで解説しています。AGI CockpitのGitHub

Vibe Kanbanはカンバンでタスクを管理するコミュニティ運営のツール

Vibe Kanbanは、カンバン形式でタスクを計画し、AIエージェントに作業させて結果を確認するためのツールとして開発されました。ターミナルで「npx vibe-kanban」を実行して起動し、ブラウザの画面で操作します。ワークスペースを作ると、新しいブランチに結び付いたworktreeが作られ、元のリポジトリには手が入りません。Vibe KanbanのGitHub、Vibe Kanbanのワークスペース

開発元のbloopは2026年4月10日に会社を閉じると告知し、Vibe Kanbanはコミュニティ運営のオープンソース(Apache-2.0)として続いています。カンバンのissue・コメント・プロジェクト・組織などのリモート機能は30日後に終了し、ローカルのワークスペースは引き続き動く方針です。終了後の版でカンバンの画面がどこまで使えるかは、公式ドキュメントに明記がありません。Goodbye bloop

GitHubのスター数は約2.82万件とOrcaに次いで多い一方、正式な版の公開は2026年4月24日で止まっています(2026年10月1日時点)。新しく導入するなら、更新が続くほかのツールと比べてから選ぶのが安全です。Vibe Kanbanの詳細はVibe Kanbanとはで解説しています。

目的別のおすすめ並列ツール(迷ったらこれ)

並列ツールは、使うOSと、作業フォルダを自分で分けたいかどうかで候補が絞れます。目的別のおすすめは、以下の表のとおりです。

やりたいことおすすめ理由
迷っていて、まず無料で試したいOrca無料・3つのOS・worktreeを自動で作る・日本語表示
Macで普段のターミナル操作のまま並べたいcmux入力待ちのAIが青いリングで分かる
Macで変更の確認とクラウド実行まで使いたいConductorワークスペースごとの差分とクラウドのワークスペース
スマホから指示や確認をしたいT3 CodeかAGI CockpitT3 Codeは無料のスマホアプリ、AGI Cockpitは会員向けのPWA
日本語の資料を見ながら始めたいAGI CockpitかOrca日本語の公式ドキュメントか日本語表示がある
チームで並列ツールをそろえたいSupersetかConductorの有料プラン人数の上限なしのProか、管理画面付きのTeams

迷ったときの選び方は、以下の5つです。

  • 迷ったら無料で3つのOSに対応するOrcaから試す
  • Macでターミナル中心に使うならcmuxを選ぶ
  • Macで変更の確認とクラウド実行まで使うならConductorを選ぶ
  • スマホから指示や確認をしたいならT3 CodeかAGI Cockpitを選ぶ
  • チームで使うならSupersetかConductorの有料プランを比べる

迷ったら無料で3つのOSに対応するOrcaから試す

並列ツールを初めて使う人には、Orcaが最初の1本として向いています。Orcaの本体は無料で、対応OSはmacOS・Windows・Linuxの3つです。作業ごとにworktreeを自動で作るため、Gitのコマンドに慣れていなくても、AIごとに作業フォルダを分けられます。

Claude CodeとCodexの使用量をアプリの中で確かめられる点も、並列で動かすときの助けになります。Orcaで並列の進め方に慣れてから、ほかの型のツールが必要か判断しても遅くありません。Orcaと開発用エディタとの違いは、OrcaとCursorの比較で整理しています。

Macでターミナル中心に使うならcmuxを選ぶ

すでにターミナルでClaude CodeやCodexを動かしているMacユーザーには、cmuxが合います。今のターミナルの使い方を変えずに、入力待ちのAIへすぐ移動できるようになるためです。

cmuxは作業フォルダの分け方を決めないため、worktreeは自分で作るか、AIに作らせます。Gitの操作に慣れていて、自分の手順を崩したくない人ほど使いやすい設計です。worktreeの作り方は、git worktreeの使い方で解説しています。

Macで変更の確認とクラウド実行まで使うならConductorを選ぶ

Macだけで使い、AIの変更を差分で確かめてからプルリクエストにまとめる流れを重視するなら、Conductorが候補です。無料プランでも、Mac上で複数のAIを並列に動かせます。

パソコンを閉じても作業を続けたい場合は、Proプランのクラウドのワークスペースを使えます。クラウドではチャットの内容がConductorのサーバーに保存されるため、会社のコードを扱う前に社内のルールとの照合が欠かせません。

スマホから指示や確認をしたいならT3 CodeかAGI Cockpitを選ぶ

外出先からAIの進み具合を確認したり、次の指示を送ったりしたいなら、T3 CodeかAGI Cockpitが候補です。T3 Codeは、iOSとAndroidのアプリを無料で使えます。

AGI Cockpitのリモートアクセスは会員向けの機能で、スマホのPWAからタスクの作成・追加の指示・許可や質問への回答ができます。どちらを選んでも、AIが動くのは自宅や会社のパソコンで、スマホは指示と確認の窓口です。AGI Cockpitのリモートアクセス

チームで使うならSupersetかConductorの有料プランを比べる

複数の開発者で同じ並列ツールをそろえるなら、比べる候補はチーム向けの機能を持つSupersetとConductorの有料プランです。SupersetのProプランは1人月20ドルで人数の上限がなく、リモートアクセスや自動化が加わります。

ConductorのTeamsプランは1人月60ドルで、管理画面と請求の一本化が付きます。2026年10月1日時点では招待制のため、申し込みの前に問い合わせが必要です。どちらも、SSO(1つのアカウントで複数のサービスにログインする仕組み)などの企業向けの機能はEnterpriseプランで提供されます。Superset料金、Conductor料金

AIコーディングエージェントの並列ツールを導入する前の注意点

並列ツールを入れると、AIへの仕事の振り方は楽になる一方で、費用・利用上限・安全面で気を配る点が増えます。導入前に確認したい点は、以下の4つです。

  • 各エージェントの契約は並列ツールとは別に必要
  • 同時に動かすと利用上限に早く達する
  • 権限設定とworktreeで守れない範囲を確認する
  • 提供元の状況と更新の速さを確認する

各エージェントの契約は並列ツールとは別に必要

7つの並列ツールは、どれもAIの利用枠を販売していません。Claude Codeを使うならClaudeの有料プランかAPIキー、Codexを使うならChatGPTのプランかAPIキーが別に必要です。

Claude Codeは、Claudeの有料プラン(ProかMax)でログインして使えます。Codexは、ChatGPTのFree・Go・Plus・Pro・Business・Edu・Enterpriseの各プランに含まれています。予算は、並列ツールの料金が無料でも、AI側の費用がかかる前提で立てるのが安全です。ClaudeのProかMaxでClaude Codeを使う、Codexの料金

同時に動かすと利用上限に早く達する

AIを3つ同時に動かせば、単純に考えて1つだけ動かすときのおよそ3倍の速さで利用枠を使います。並列ツールを入れても、プランの利用上限そのものは増えません。

Claudeの利用上限は、ClaudeのチャットとClaude Codeで共有されます。Codexも、手元で動かしたチャットとクラウドで動かしたチャットが同じ利用枠を使い、Plusなどのプランでは5時間ごとの枠に加えて週ごとの上限がかかる場合があります。上限に達したあとは、追加の利用分を購入するか、枠の回復を待つのが基本の対応です。ClaudeのProかMaxでClaude Codeを使う、Codexの料金

最初は2つの作業から始め、利用枠の減り方を見てから数を増やす進め方が安全です。Claude Codeの使用量を表示できるOrcaや、空きのあるアカウントを選ぶ機能を持つAGI Cockpitは、上限の管理に役立ちます。AGI Cockpitのタスク詳細

権限設定とworktreeで守れない範囲を確認する

worktreeが分けるのは作業フォルダで、AIが操作できる範囲や動いているプログラムまでは切り離しません。同じファイルを別々のworktreeで直した場合、まとめる段階で変更がぶつかることもあります。SupersetのGitHub

AIがコマンドを実行するときの権限は、パソコンの利用者と同じです。AIに確認なしで実行させる操作の範囲は、Claude CodeやCodexの権限設定で決めておきます。AIを複数動かすと、人が1つずつ確認する余裕が減るため、確認を省く設定ほど慎重に選ぶ必要があります。権限設定の詳しい手順はClaude Codeの使い方にまとめました。

クラウド実行やリモートアクセスを使う場合は、コードやチャットがどこに保存されるかも確認します。Conductorのクラウドのワークスペースでは、チャットの内容がConductorのサーバーに保存されます。Conductor料金

提供元の状況と更新の速さを確認する

並列ツールの多くは2025年以降に公開された新しいツールで、機能も料金も短い期間で変わります。AGI Cockpitは2026年9月だけで30回更新され、T3 Codeはプレビュー版をほぼ毎日公開しています。画面の名前や料金が記事と違う場合に頼るべきなのは、公式サイトの最新の情報です。

提供元がサービスを終える可能性も、選ぶときの材料に入れます。Vibe Kanbanは開発元が会社を閉じ、リモート機能が終了しました。オープンソースのツールなら、提供元が撤退してもコミュニティで開発が続く可能性がありますが、更新の頻度は落ちる場合があります。

AIコーディングエージェントの並列ツールに関するよくある質問

AIコーディングエージェントの並列ツールについて、導入前によく出る質問は以下のとおりです。

  • 並列ツールは無料で使える?
  • Windowsで使える並列ツールはどれ?
  • Claude Codeだけを並列で動かすなら専用ツールは必要?
  • 最初は何個のAIを同時に動かせばよい?

並列ツールは無料で使える?

7つの並列ツールは、どれも無料の範囲で複数のAIを並列に動かせます。有料プランがあるのはSuperset・Conductor・AGI Cockpitで、増えるのは主にクラウド実行・スマホ操作・チーム機能です。

無料なのは並列ツールの部分だけで、Claude CodeやCodexの利用料は各提供元の契約で決まります。

Windowsで使える並列ツールはどれ?

2026年10月1日時点でWindowsのデスクトップアプリがあるのは、Orca・T3 Code・AGI Cockpitの3つです。ConductorとSupersetはWindows版を提供しておらず、cmuxのアプリもmacOS専用です。

Windowsでターミナル型を使いたい場合は、cmux TUIも候補になります。CodexだけをWindowsで並列に動かすなら、ChatGPTのデスクトップアプリでも足ります。導入の手順はCodexのWindowsアプリにまとめました。

Claude Codeだけを並列で動かすなら専用ツールは必要?

Claude Codeだけを並列で動かすなら、専用の並列ツールがなくても始められます。Claude Codeのデスクトップアプリでは、複数のセッションの並列実行と、セッションごとのworktreeの選択が可能です。ターミナル版でも、claude --worktreeでworktreeを作って起動する方法や、claude agentsの一覧画面があります。claude --worktreeの使い方はgit worktreeの使い方にまとめました。Claude Code Desktop、Agent view

Claude Codeの中で作業を分担させるサブエージェントの使い方は、Claude Codeのサブエージェントで解説しています。CodexやCursorなど別のAIも混ぜたくなった段階で、並列ツールを検討する順番が無駄のない進め方です。

最初は何個のAIを同時に動かせばよい?

最初は2つから始めるのがおすすめです。AIの数を増やすほど、人が変更を確認する回数と、AIの利用枠の消費が増えるためです。

2つの作業を取りこぼさずに回せて、利用枠にも余裕があることを確かめてから、3つ目を足します。担当するファイルが重ならない作業を選ぶと、まとめる段階での手戻りも減らせます。

Claude Code・Codexの並列ツールは作業の分け方と使うOSで選びましょう

AIコーディングエージェントの並列ツールは、Claude CodeやCodexを複数同時に動かし、確認待ちや変更内容を1つの画面で管理するためのアプリです。7つのツールは、画面の中心に何を置くかで6つの型に分かれます。

選ぶときの分かれ目は、使うOSと、worktreeをツールに任せるか自分で作るかです。目的別の選び方は、以下のとおりです。

  • 迷ったら、無料で3つのOSに対応し、worktreeを自動で作るOrca
  • Macでターミナル中心なら、入力待ちのAIが分かるcmux
  • Macで差分の確認とクラウド実行まで使うなら、Conductor
  • スマホから指示や確認をしたいなら、T3 CodeかAGI Cockpit
  • チームでそろえるなら、SupersetかConductorの有料プラン

どのツールを選んでも、AIの契約は別に必要で、同時に動かすほど利用上限に早く達します。最初は2つの作業から始め、確認と利用枠が追いつく数を見極めてから広げましょう。

この記事の監修者

中島大介(なかじ)

中島大介(なかじ)

株式会社メリル 代表取締役 / 記事監修

株式会社メリル代表取締役。SEO歴20年以上。最新AIやセキュリティについて発信するYouTube「ウェブ職TV」は登録者15万人以上。著書「ChatGPT & Copilotの教科書」は10万部突破!

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