AIツール活用

Vibe Kanbanとは?使い方とGitHubの現状、代わりのツールを解説

中島大介(なかじ)読了時間 約40分
Vibe Kanbanとは何かと現状を解説する記事のアイキャッチ

AIコーディングエージェントにカンバンボードで仕事を渡せるツール「Vibe Kanban」は、GitHubで約2.8万件(2026年10月1日時点)のスターを集めたオープンソースです。一方で、開発元のbloopは2026年4月10日に会社を閉じ、Vibe Kanbanはコミュニティが保守するプロジェクトに移りました。

Vibe Kanbanの使い方を紹介する記事の多くは会社の終了前に書かれたもので、紹介されている画面の一部は最新版で使えません。この記事では、Vibe Kanbanの仕組みと使い方、2026年10月時点の状態、OrcaやConductorなど代わりのツールとの違いを解説します。記事を読めば、Vibe Kanbanを今から試すか、別のツールを選ぶかを判断できます。

Vibe Kanbanは今も無料で使えるため、AIを並列で動かす仕組みを個人で試す用途に向いたツールです。仕事で長く使う道具を選ぶなら、提供元が運営を続けている代わりのツールと比べてから決めるのが安全です。

Vibe Kanbanとは?AIコーディングエージェントにカンバンで仕事を渡すツール

Vibe Kanbanは、Claude CodeやCodexなどのAIコーディングエージェントに、カンバンボードのカードとして仕事を割り当て、並列で動かしてレビューするためのツールです。AIコーディングエージェントは、指示を受けてプログラムを書き換えるAIを指します。公式サイトの見出しは「Orchestrate AI Coding Agents」で、複数のAIをまとめて指揮する道具という位置付けです。Vibe Kanban公式サイト

Vibe Kanbanの全体像は、以下の4つに分けると理解しやすくなります。

  • Vibe Kanbanの基本情報
  • カンバン型はAIの仕事を列で管理する考え方
  • Vibe Kanban自体はAIではなく既存のエージェントを動かす
  • Vibe Kanbanは人向けのカンバンツールとは別物

Vibe Kanbanの基本情報

Vibe Kanbanは、2025年6月に公開されたオープンソースのソフトです。プログラム本体はRustとTypeScriptで書かれ、ソースコードはGitHubのBloopAI/vibe-kanbanで公開されています。

Vibe Kanbanの基本情報は、以下の表のとおりです。

項目内容
開発元bloop(Bloop AI Limited。2026年4月に会社を終了)
現在の運営オープンソースのコミュニティによる保守
料金無料(Apache-2.0のオープンソース)
対応OSmacOS・Windows・Linux
動かせるAIClaude Code・Codex・Gemini CLIなど10種類
起動方法ターミナルで「npx vibe-kanban」を実行(Node.js 20以降)
最新版v0.1.44(2026年4月24日公開)
GitHubスター数約2.8万件(2026年10月1日時点)

GitHub、リリース一覧、トラブルシューティング、Goodbye bloop

Vibe Kanbanの利用者は3万人以上、Vibe Kanbanから作られたプルリクエストは10万件以上です(開発元の公表値)。プルリクエストは、書き換えたプログラムを本体へ取り込む前に確認してもらう依頼のことです。

編集部が開いたVibe Kanbanの公式サイトは、以下のとおりです。最上部に「Vibe Kanban is sunsetting(提供を終えつつある)」の帯が表示されています。

カンバン型はAIの仕事を列で管理する考え方

カンバンボードは、仕事を1枚ずつのカードにして状態ごとの列に並べ、カードを右へ動かして進み具合を見る管理方法です。Vibe Kanbanでは、カード(issue)にAIの作業場所をつなぎ、AIの進み具合をボードの上で追いかける作りでした。

Vibe Kanbanのカンバンボードで使われていた列は、以下のとおりです。

  • To do(未着手)
  • In progress(AIか人が作業中)
  • In review(作業が終わり確認待ち)
  • Done(確認して完了)
  • Backlog・Cancelled(既定では非表示)

issueの管理

カンバン型の考え方の土台にあるのは、人の仕事が「書くこと」から「計画とレビュー」へ移るという見方です。Vibe Kanbanの使い方も、計画(Plan)・指示(Prompt)・確認(Review)の3段階で組み立てられています。人は計画を立ててAIに渡し、戻ってきた結果を確かめる役に回ります。Goodbye bloop

Vibe Kanban自体はAIではなく既存のエージェントを動かす

Vibe Kanban自体は、プログラムを書くAIではありません。Vibe Kanbanは、パソコンに入っているClaude CodeやCodexなどを呼び出して動かす、管理の画面です。Vibe Kanbanのドキュメント

使う前に、動かしたいエージェントをインストールして、ログインを済ませておく必要があります。AIの利用料金はVibe Kanbanではなく、それぞれのエージェントの契約で決まります。

Vibe Kanbanは人向けのカンバンツールとは別物

Vibe Kanbanの「Kanban」は、TrelloやJiraのような人の仕事を管理するカンバンツールと同じ発想から来ています。ただし、Vibe Kanbanのカードは人ではなくAIに仕事を渡すためのもので、カードからAIの作業を始め、変更内容のレビューまで進められる点が違いでした。

「Vibe」は、AIに任せてプログラムを作る進め方を指す「バイブコーディング」の語感に通じる言葉です。GitHubのディスカッションでは、端末で動く「Vibe Kanban TUI」のような利用者による派生版も紹介されています。この記事で扱うのは、GitHubのBloopAI/vibe-kanbanで公開され、公式サイトがvibekanban.comのソフトです。GitHubのディスカッション

Vibe Kanbanの現状:開発元が会社を閉じコミュニティ運営に

Vibe Kanbanを今から使うかどうかは、2026年4月以降の変化を知ってから判断する必要があります。会社の終了前に書かれた解説には、終了後に使えなくなった画面が載っているためです。2026年10月時点の状態は、以下の4つの点から確認できます。

  • 2026年4月10日に開発元のbloopが会社を閉じた
  • 30日後にクラウドの機能が止まりローカル専用になった
  • 最新版ではカンバンボードの画面が書き出し専用になった
  • 2026年9月にGitHubで修正が再開した

2026年4月10日に開発元のbloopが会社を閉じた

Vibe Kanbanを開発していたbloopは、2026年4月10日に会社を閉じました。発表の題は「Goodbye bloop」で、Vibe Kanbanはオープンソースのまま、コミュニティが保守するプロジェクトとして続きます。

会社を閉じた理由は、毎日数千人の開発者が使っていたものの大半が無料の利用者で、納得できる事業の形を見つけられなかったためです。Vibe Kanbanは2025年6月の公開以来、複数のエージェントへの対応・差分へのコメント・画面のライブプレビューなどの機能を早くから備えてきました。

告知では、コミュニティ版のロードマップを数週間のうちに公開する予定も示されました。Goodbye bloop

公式ブログの告知「Goodbye bloop」の冒頭は、以下のとおりです。

30日後にクラウドの機能が止まりローカル専用になった

クラウドで提供していた機能は告知から30日間だけ残され、その後は完全にローカルで動く構成へ移る計画が示されました。終了の対象になったクラウドの機能は、以下のとおりです。

  • カンバンのissue
  • コメント
  • プロジェクト
  • 組織(チーム)

有料の契約は解約され、直近30日に支払った請求は返金されています。告知の時点の最新版には、データを書き出す機能が追加されました。手元のパソコンで動くワークスペースは、会社の終了後も引き続き使える扱いになりました。Goodbye bloop

公式ドキュメントには、チームで使うクラウド版「Vibe Kanban Cloud」の説明ページが2026年10月1日時点でも残っています。ドキュメントだけを読むとクラウド版を使えるように見えるため、終了の告知とあわせて読む必要があります。Vibe Kanban Cloud

最新版ではカンバンボードの画面が書き出し専用になった

2026年4月24日に公開されたv0.1.44では、プロジェクトの画面がカンバンボードを表示しなくなりました。代わりに「Project functionality has been retired(プロジェクトの機能は終了しました)」と表示し、データの書き出し(Export data)だけができる画面に変わっています。

変更#3387は、カンバン・issue・ワークスペースの流れをプロジェクトの画面から外す内容です。同じ日に、READMEの冒頭にも「Vibe Kanban is sunsetting(Vibe Kanbanは提供を終えつつあります)」の帯が追加されました。プロジェクト画面を書き出し専用にした変更(#3387)、README

Vibe Kanbanの名前の由来であるカンバンボードは、最新版のプロジェクト画面からは使えません。今も使える中心の機能は、AIに作業させるワークスペースと、変更内容のレビューです。編集部はソフトを起動していないため、画面での確認はしていません。

2026年9月にGitHubで修正が再開した

v0.1.44の公開後、GitHubへの変更は4か月以上止まっていました。2026年9月15日から19日にかけて、開発に関わる協力者による修正が続けて取り込まれています。主な変更は、以下のとおりです。

  • GitHub Copilotの対応版の更新
  • 日本語などの変換を確定するEnterキーを送信と区別する修正
  • セキュリティの報告窓口を示すSECURITY.mdの追加
  • ソースコード上の版を0.1.45へ更新

GitHubのコミット履歴

0.1.45はソースコード上の番号で、2026年10月1日時点ではリリースとして配布されていません。npmで配布されている最新版も0.1.44のままです。npmの登録情報

2026年6月2日には、メンテナーがGitHubのディスカッションで「コミュニティ版はどうあるべきか」を問いかけ、9月まで議論が続いています。2026年10月1日時点で、告知で予告されたロードマップは見つかりませんでした。コミュニティ版についての議論

Vibe Kanbanでできること

最新版のVibe Kanbanで使える中心の機能は、AIに作業させる「ワークスペース」まわりです。主な機能は、以下の6つです。

  • ワークスペースごとにgit worktreeでAIの作業場所を分ける
  • 10種類のコーディングエージェントを切り替えて使う
  • 差分にコメントを書いてAIに直してもらう
  • 内蔵ブラウザで画面を確かめてAIに伝える
  • プルリクエストの作成とマージを画面から進める
  • MCPでVibe KanbanとAIをつなぐ

ワークスペースごとにgit worktreeでAIの作業場所を分ける

Vibe Kanbanのワークスペースは、1つの作業を完了させるための隔離された環境です。ワークスペースを作ると、Gitの機能であるworktreeで専用の作業フォルダと新しいブランチが用意され、元のフォルダには手が入りません。ブランチは、変更履歴を本体から枝分かれさせて記録する仕組みです。

AIの変更は新しいブランチの中だけに記録され、利用者がプルリクエストを出すまでGitHubなどへは送られません。複数のAIを同時に動かしても、作業フォルダが分かれているため変更が混ざらない仕組みです。

1つのワークスペースには、複数のリポジトリ(プロジェクトのファイルと変更履歴のまとまり)を入れられます。フロントエンドとバックエンドのように分かれたプロジェクトでも、1つの作業としてまとめて扱えます。worktreeの基本はgit worktreeの使い方にまとめました。ワークスペースの概要

10種類のコーディングエージェントを切り替えて使う

Vibe Kanbanは、ワークスペースごとに使うエージェントを選べます。公式ドキュメントに載っている対応エージェントは、以下の10種類です。

  • Claude Code
  • OpenAI Codex
  • GitHub Copilot CLI
  • Gemini CLI
  • Amp
  • Cursor Agent CLI
  • OpenCode
  • Factory Droid
  • CCR(Claude Code Router)
  • Qwen Code

対応エージェント一覧

エージェントごとに、モデルや計画モードなどの設定を組み合わせた「プロファイル」を複数登録できます。計画モードは、AIが作業の前に進め方の計画を出し、人が確かめてから実装に入る使い方です。Claude CodeとCodexそのものの始め方は、Claude Codeの使い方とCodex CLIの使い方で紹介しています。エージェントの設定

差分にコメントを書いてAIに直してもらう

AIが書き換えた内容を確かめる場所は、変更の前後を色分けした差分の画面です。追加は緑、削除は赤で表示され、変更を交互に並べる表示と左右に並べる表示を切り替えられます。

差分の行にカーソルを合わせるとコメントのアイコンが出て、直してほしい点を行ごとに書き込めます。書いたコメントはまとめてAIへ送られ、AIがコメントを手がかりに修正を進める流れです。コードレビューで同僚に指摘を返すのと同じ要領で、AIに直しを頼めるのが利点です。コードのレビュー

内蔵ブラウザで画面を確かめてAIに伝える

ワークスペースには、開発中のWebアプリを表示するブラウザが組み込まれています。「npm run dev」のような開発サーバーの起動コマンドを登録して「Save and Test」を押すと、表示されたURLを読み取ってプレビューに開きます。

内蔵ブラウザで使える主な機能は、以下のとおりです。

  • パソコン・スマートフォン(390×844)・自由な大きさの表示の切り替え
  • 画面の部品をクリックしてAIとのチャットに送る検査モード
  • コンソールや通信の記録を見る開発者ツール

検査モードはReact・Vue・Svelte・Astro・HTMLで使え、追加のパッケージは要りません。「このボタンの色を変えて」のように、画面の部品を指したまま依頼できます。ブラウザでのテスト

プルリクエストの作成とマージを画面から進める

レビューを終えた変更は、Gitの画面かコマンドバー(Cmd/Ctrl+K)から取り込みます。Vibe Kanbanから実行できるGitの操作は、以下のとおりです。

  • プルリクエストの作成
  • 取り込み先のブランチの最新の変更を取り込むマージ
  • ブランチを最新の状態に付け替えるリベース
  • 手元の変更をGitHubなどへ送るプッシュ
  • 変更がぶつかったときの解消

プルリクエストを作るには、設定のIntegrationsでGitHubとの連携を済ませておきます。AIは作業の途中で変更を自動でコミット(記録)していきます。Gitの操作

MCPでVibe KanbanとAIをつなぐ

MCP(Model Context Protocol)は、AIと外部のツールをつなぐための共通の規格です。Vibe KanbanはMCPに2つの方向で対応しています。

1つ目は、Vibe Kanbanの中で動くエージェントにMCPサーバーを足す使い方です。設定のMCP Serversの画面では、Context7・Playwright・Exa・Chrome DevToolsなどを1クリックで追加できます。MCPサーバーを入れすぎるとAIが選択肢に迷って効率が落ちるため、エージェントごとに数を絞るのが基本です。MCPサーバーの接続

2つ目は、Vibe Kanban自体をMCPサーバーとして使う方法です。「npx -y vibe-kanban@latest --mcp」で起動し、Claude Desktopなど手元のアプリからワークスペースの一覧の取得やセッションの開始を指示できます。Vibe KanbanのMCPサーバーは手元のパソコンでだけ動き、インターネットに公開されたURLからは使えません。

Vibe KanbanのMCPサーバーにはissueやプロジェクトを操作する機能も含まれますが、プロジェクトの機能はクラウドとともに終了しています。2026年10月時点でどの操作が動くかは、公式ドキュメントに案内がありません。Vibe KanbanのMCPサーバー

Vibe Kanbanの使い方

Vibe Kanbanはアプリのインストールが不要で、ターミナルで1行のコマンドを実行すると起動します。ここで紹介する流れは、公式ドキュメントの手順に沿ったものです。Vibe Kanbanの使い方は、以下の4つの段階に分かれます。

  • 始める前にNode.jsとコーディングエージェントを準備する
  • npx vibe-kanbanで起動して初期設定をする
  • ワークスペースを作ってAIに依頼する
  • 変更を確かめてプルリクエストかマージで取り込む

始める前にNode.jsとコーディングエージェントを準備する

Vibe Kanbanの起動には、Node.jsのバージョン20以降が必要です。Node.jsはJavaScriptのプログラムをパソコンで動かすためのソフトで、npxはNode.jsに付いてくるコマンドです。npmに登録されている最新版は、Node.js 20.19.0以降を条件にしています。README、npmの登録情報

準備しておくものは、以下のとおりです。

  • Node.js 20以降
  • Gitで管理しているプロジェクトのフォルダ
  • インストールとログインを済ませたコーディングエージェント(Claude CodeやCodexなど)

Gitの「sparse-checkout」を有効にしているリポジトリでは、AIがファイルを見つけられない場合があります。リポジトリの最上位で「git sparse-checkout disable」を実行すると解消します。トラブルシューティング

npx vibe-kanbanで起動して初期設定をする

ターミナルで「npx vibe-kanban」を実行すると、Vibe Kanbanがブラウザで開きます。最初の画面で、使うコーディングエージェント・コードエディタ・通知の方法を選びます。選んだ項目は、後から設定画面で変えてもかまいません。はじめに

公式ドキュメントには、GitHubかGoogleでサインインする手順が残っています。サインインを前提にしていたカンバンボード・issue・チームの機能は、クラウドのサービスとともに終了の対象になりました。

使うポート番号を決めたい場合は、「PORT=60000 npx vibe-kanban」のように環境変数PORTを付けて起動します。設定画面では、表示言語やブランチ名の頭に付ける文字(既定は「vk」)も変えられます。README、一般設定

ワークスペースを作ってAIに依頼する

AIに作業を任せるときは、ワークスペースを作って依頼文を書きます。ワークスペースを作る手順は、以下のとおりです。

  1. 作業するリポジトリを選ぶ(複数選べる)
  2. 変更を最終的に取り込むブランチ(例: main)を選ぶ
  3. Agentの一覧から使うコーディングエージェントを選ぶ
  4. 依頼文を書いてワークスペースを作る

ワークスペースを作ると、worktreeと作業用のブランチが自動で用意され、AIがすぐに作業を始めます。AIより先に済ませたい準備の作業は、リポジトリの設定の「セットアップスクリプト」に「npm install」などを登録しておく方法が便利です。ワークスペースの作成、リポジトリの設定

具体例として、Webサイトの改修で「お問い合わせフォームに入力チェックを足す作業」をClaude Codeに、「料金ページの表記揺れを直す作業」をCodexに任せる場合を考えます。2つのワークスペースを作ってそれぞれに依頼すると、2つのAIは別々の作業フォルダで同時に作業を進めます。担当するファイルが重ならない作業を選ぶのが、後で変更をぶつけないコツです。

変更を確かめてプルリクエストかマージで取り込む

AIの作業が終わったら、差分の画面で変更を確かめ、直してほしい点を行ごとのコメントでAIに返します。画面の見た目が関わる変更は、内蔵ブラウザで開発中のページを開いて表示まで確かめるのが確実です。

問題がなければ、GitHubにプルリクエストを出すか、手元でブランチをマージして取り込みます。取り込みが済んだワークスペースは、削除して片付けるのが基本です。リポジトリの設定に「クリーンアップスクリプト」を登録しておくと、ワークスペースを閉じるときに後片付けのコマンドが自動で動きます。はじめに、リポジトリの設定

編集部が公式サイトと公開情報で確認したVibe Kanbanの状態

編集部は、Vibe Kanbanの公式サイト・公式ドキュメント・GitHub・npmの登録情報を2026年10月1日に確認しました。ソフトのインストールと起動はしていません。確認した事実は、以下の表のとおりです。

確認したこと結果(2026年10月1日時点)
料金無料(Apache-2.0のオープンソース)
有料の契約終了(直近30日分の請求は返金・契約は解約済み)
対応OSmacOS・Windows・Linux(OSごとにデータの保存先を案内)
必要な環境Node.js 20以降(npmの登録情報では20.19.0以降)
対応エージェント10種類
最新版v0.1.44(2026年4月24日公開・npmの最新版も同じ)
最後の変更2026年9月19日(ソースコード上の版は0.1.45)
GitHubのスター・フォークスター28,231件・フォーク3,030件
未解決のissueとプルリクエスト544件
画面の翻訳日本語を含む7言語の翻訳ファイルあり
MCP手元のパソコンだけで動くMCPサーバーあり
カンバンボード最新版のプロジェクト画面は書き出し専用

GitHub API(リポジトリ情報)、リリース一覧、npmの登録情報、翻訳ファイル、Goodbye bloop

確認の結果から見えるのは、コードの手入れは続いているものの、2026年4月24日のv0.1.44を最後に正式なリリースが出ていない状態です。終了の告知から4月24日までに3つの版が公開されたあと、9月の修正はまだ利用者に配布されていません。

今から使う場合は、不具合が直る時期の見通しがない前提で、個人の試用にとどめるのが現実的な判断です。

スター数と利用者の多さは、カンバン型でAIを動かす考え方が広く支持された証拠といえます。ただし、スター数は過去の人気の合計で、今後の開発の速さを示す数字ではありません。

カンバン型のVibe Kanbanとエディタ型・ターミナル型の違い

AIコーディングエージェントを並列で動かすツールは、画面の中心に何を置くかで大きく3つの型に分かれます。Vibe Kanbanはカンバン型で、OrcaやConductorのようなエディタ型、cmuxのようなターミナル型とは考え方が違います。違いを押さえるための観点は、以下の3つです。

  • カンバン型は計画とレビューを画面の中心に置く
  • エディタ型・ターミナル型は動いているAIの画面を中心に置く
  • 並列で動かす土台はどの型もgit worktree

カンバン型は計画とレビューを画面の中心に置く

カンバン型のツールでは、最初に目に入るのが仕事のカードの一覧です。人はカードを作って優先順位を決め、AIに渡し、戻ってきた結果を確かめる流れで仕事を進めます。

カンバン型が向いているのは、AIに頼みたい仕事がたくさん積み上がっていて、どれをどの順に片付けるかを整理したい場面です。Vibe Kanbanの利用者の間でも、どのAIがどの仕事を担当しているかを見失わない点が評価されています。コミュニティ版についての議論

一方で、カンバン型には人の仕事を管理する機能がそろっていない点に注意が必要です。期日や担当者の管理、一覧表示などは、TrelloやJiraのような人向けのツールの方が充実しています。

エディタ型・ターミナル型は動いているAIの画面を中心に置く

エディタ型は、作業ごとにAIのチャットやターミナル、ファイル、差分、ブラウザを1つのアプリにまとめる型です。Orcaは、作業ごとにworktree・AIのターミナル・ブラウザのタブを用意するデスクトップの開発環境です。Conductorも、作業ごとにワークスペース・ブランチ・ターミナル・差分を用意し、Mac上でエージェントを並列に動かします。Orcaのドキュメント、Conductorのドキュメント

ターミナル型は、普段使っているターミナルを拡張して、複数のAIを並べて見やすくする型です。cmuxは縦タブと通知のリングで、入力を待っているAIを知らせるmacOS用のターミナルです。cmux公式サイト

エディタ型とターミナル型は、AIが今何をしているかを追いかけ、途中で口を挟みやすい作りになっています。カンバン型は、仕事を渡してから結果を受け取るまでの間、AIの作業をあまり見ない使い方に向いています。

並列で動かす土台はどの型もgit worktree

型の違いは画面の作りの違いで、AIの作業を分ける仕組みはほとんど共通です。Vibe Kanban・Orca・Conductor・Supersetは、作業ごとにGitのworktreeかそれに相当する専用の作業場所を用意して、AI同士の変更が混ざらないようにしています。

worktreeの考え方を一度理解すれば、どの型のツールに乗り換えても同じ感覚で使えます。worktreeの仕組みと注意点は、git worktreeの使い方で取り上げました。

Vibe Kanbanの代わりになるツールとの比較

開発元が会社を閉じたため、Vibe Kanbanから乗り換える先の候補も知っておくと安心です。代わりの候補になる主なツールの違いは、以下の表のとおりです。

ツール型対応OS料金
Vibe Kanbanカンバン型macOS・Windows・Linux無料(Apache-2.0)
Orcaエディタ型の開発環境macOS・Windows・Linux無料(オープンソース)
cmuxターミナル型macOS(アプリ)無料(GPL)
Conductorエディタ型のアプリMac無料プランあり・Proは月50ドル
Supersetエディタ型の開発環境macOS(Linuxは試験提供)無料で開始・有料プランあり
T3 Codeエージェントの操作盤macOS・Windows・Linux・iOS・Android無料(MIT)
AGI CockpitAIエージェントの作業画面Windows・macOS(Apple Silicon)・Linuxローカル機能は無料・会員は月20ドル

Orca、cmux、Conductorの料金、Superset、T3 Code、AGI Cockpit

AIを並列で動かすツール全体の選び方は、AIコーディングエージェントを並列で動かすツールの比較で詳しくまとめています。代わりのツールの特徴は、以下の5つに分けて紹介します。

  • Orcaは3つのOSで使える無料の開発環境
  • cmuxはMacで入力待ちのAIに気づくためのターミナル
  • ConductorとSupersetはMacを中心にした並列実行アプリ
  • T3 CodeとAGI Cockpitはスマートフォンからも状況を見られる
  • Vibe Kanbanを使い続ける選択が合う人

Orcaは3つのOSで使える無料の開発環境

Orcaは、複数のAIコーディングエージェントを並べて動かすためのデスクトップの開発環境です。作業ごとにworktree・AIのターミナル・ブラウザのタブが自動で用意され、macOS・Windows・Linuxで使えます。

Orca本体は無料のオープンソースで、Claude CodeやCodexなどの利用料金は各自の契約による支払いです。Vibe Kanbanと同じく3つのOSで使えるため、Windowsの利用者が最初に比べる候補になります。詳しくはOrcaとはで解説しています。Orcaのドキュメント

cmuxはMacで入力待ちのAIに気づくためのターミナル

cmuxは、縦タブと通知のリングで、確認を求めているAIをすぐに見つけられるmacOS用のターミナルです。アプリは無料のオープンソースで、ターミナルで動くAIならそのまま使えます。

cmuxはworktreeを自動で作らず、作業の分け方は使う人に任されます。カードで仕事を整理するVibe Kanbanとは正反対で、自分の手順をターミナルで組み立てたい人に向いた道具です。詳しくはcmuxとはで紹介しています。cmux公式サイト

ConductorとSupersetはMacを中心にした並列実行アプリ

Conductorは、Claude Code・Codex・Cursor・OpenCodeを、分離されたワークスペースでMac上に並列で動かすアプリです。料金は無料プランのほか、クラウドのワークスペースが使えるProが月50ドル、チーム向けのTeamsが1人月60ドルに設定されています。Conductorのドキュメント、Conductorの料金

Supersetは、Claude CodeやCodexなどターミナルで動くエージェントを、それぞれ専用のworktreeで並列に動かす開発環境です。macOSに対応し、Linux版は試験提供、Windows版は2026年10月1日時点で未提供です。ソースコードはElastic License 2.0で公開されていて、オープンソースの承認を受けたライセンスではありません。Superset公式サイト、SupersetのGitHub

2つのツールの詳細は、ConductorとはとSupersetとはで解説しています。

T3 CodeとAGI Cockpitはスマートフォンからも状況を見られる

T3 Codeは、Claude Code・Codex・Cursor・OpenCodeなどを1つの画面から操作する、オープンソースの操作盤です。macOS・Windows・Linuxのアプリに加えてiOSとAndroidのアプリがあり、出先からAIの作業を確かめられます。T3 Codeはまだ初期段階で、GitHubには不具合を想定するよう注意書きがあります。詳しくはT3 Codeとはで紹介しました。T3 Code公式サイト、T3 CodeのGitHub

AGI Cockpitは、「AIエージェントの作業OS」をうたう、日本語の公式サイトを持つツールです。Claude Code・Codex・Cursorなどを1つの画面で並列に動かし、実行中・確認待ち・完了の仕事を分けて表示します。ローカルの機能は無料で使え、スマートフォンからの遠隔操作や自動実行は月20ドルの会員向けです。詳しくはAGI Cockpitとはで解説しています。AGI Cockpit

Vibe Kanbanを使い続ける選択が合う人

すでにVibe Kanbanのワークスペースを使い慣れている人は、すぐに乗り換える必要はありません。最新版でも、ワークスペース・差分のレビュー・内蔵ブラウザ・プルリクエストの作成は、手元のパソコンで使える機能として残っています。

Vibe Kanbanを使い続ける選択が合う人は、以下のとおりです。

  • 個人で使い、チームでの共有を必要としない人
  • 不具合が出ても自分で回避や修正ができる人
  • ソースコードを読み、必要なら自分で手を入れたい人

チームでカンバンボードを共有したい人や、安定した更新を前提に仕事の道具を選びたい人は、提供元が運営を続けている代わりのツールを選ぶ方が安心です。

Vibe Kanbanを使う前に確認したい注意点

Vibe Kanbanは無料で試せますが、会社が終了した後のソフトならではの注意点があります。確認したい点は、以下の4つです。

  • 不具合の修正や新しい版の時期が保証されない
  • AIに確認なしで操作させる設定に注意する
  • エージェントの利用料金は別にかかる
  • Gitで管理していないファイルはワークスペースに入らない

不具合の修正や新しい版の時期が保証されない

Vibe Kanbanには、2026年10月1日時点で未解決のissueとプルリクエストが544件あります。開発を担う会社がなくなったため、不具合がいつ直るか、新しい版がいつ出るかは誰にも約束されていません。

Claude CodeやCodexは更新が速く、エージェント側の変更にVibe Kanbanが追いつかないと、呼び出しがうまく動かなくなるおそれがあります。2026年9月にはGitHub Copilotの対応版が更新されましたが、修正はリリースとして配布されていません。仕事の締め切りがある作業では、Vibe Kanbanが動かなくなったときに手作業へ戻れる手順を用意しておくのが安全です。

AIに確認なしで操作させる設定に注意する

Vibe Kanbanのエージェントの設定には、AIが確認なしで操作を実行できるようにする項目があります。名前が「dangerously_」で始まる設定は、安全のための確認を飛ばし、ファイルの削除のような取り返しのつかない操作まで許してしまう危険な設定です。

Codexでは、すべての操作を確認する「untrusted」から、確認なしで進める「never」まで、4段階の承認の水準を選べます。最初は確認を残す設定で使い始め、AIに任せてよい範囲を見極めてから広げましょう。エージェントの設定

エージェントの利用料金は別にかかる

Vibe Kanbanは無料ですが、Vibe Kanbanが呼び出すClaude CodeやCodexの利用料金は別にかかります。複数のAIを同時に動かすと、そのぶん各エージェントの利用枠が早く減るのは避けられません。

並列で動かす数を増やすほど、人が差分を確かめる回数も増えます。最初は2つの作業から始め、レビューが追いつく数を見極めてから増やす進め方がおすすめです。

Gitで管理していないファイルはワークスペースに入らない

worktreeで作られる作業フォルダには、Gitで管理しているファイルだけが入ります。APIキーなどを書いた.envファイルのように、Gitで管理していないファイルは新しい作業フォルダにありません。

開発サーバーの起動に必要なファイルがある場合は、セットアップスクリプトで準備する方法があります。秘密の情報をスクリプトに直接書き込まず、安全な保管場所から読み込む形にしておくと、誤ってGitHubへ公開する事故を防げます。リポジトリの設定

Vibe Kanbanに関するよくある質問

Vibe Kanbanについて、導入を考える人から出やすい質問は以下のとおりです。

  • Vibe Kanbanは無料で使える?
  • Vibe KanbanはWindowsで使える?
  • Vibe Kanbanのクラウド版やチーム機能は使える?
  • Vibe Kanbanは日本語で使える?
  • 以前のVibe Kanbanのデータは取り出せる?

Vibe Kanbanは無料で使える?

Vibe Kanbanは、Apache-2.0のオープンソースで、無料で使えます。有料の契約はbloopの終了とともに解約されました。Claude CodeやCodexなどエージェントの利用料金は、それぞれの契約で別に支払います。GitHub、Goodbye bloop

Vibe KanbanはWindowsで使える?

Vibe Kanbanは、macOS・Linuxに加えてWindowsにも対応しています。Windowsでのデータの保存先は「%APPDATA%\bloop\vibe-kanban」です。Windowsで動くことを編集部が実機で確かめたわけではありません。トラブルシューティング

Vibe Kanbanのクラウド版やチーム機能は使える?

Vibe Kanbanのクラウド版とチームの機能は使えません。カンバンのissue・コメント・プロジェクト・組織のクラウドのサービスは、2026年4月10日の告知から30日後に終了する計画でした。公式ドキュメントにはクラウド版の説明が残っていますが、終了前の内容です。Goodbye bloop

Vibe Kanbanは日本語で使える?

Vibe Kanbanのソースコードには、日本語を含む7言語の画面の翻訳ファイルがあります。設定の言語の項目で、ブラウザの言語に合わせるか、表示する言語を選べます。2026年9月には、日本語の変換を確定するEnterキーで入力が送信されてしまう問題への修正も取り込まれました。翻訳ファイル、一般設定

以前のVibe Kanbanのデータは取り出せる?

最新版のVibe Kanbanでは、プロジェクトの画面に「Export data」のボタンがあり、プロジェクトとissueのデータを書き出せます。ただし、クラウドに置いていたデータの書き出しは、告知から30日の間に済ませるよう案内されていました。2026年10月時点でクラウドのデータを取り出せるかは、公式の案内がありません。プロジェクト画面を書き出し専用にした変更(#3387)、Goodbye bloop

Vibe Kanbanは仕組みを試す道具として使い、長く使うなら代わりのツールと比べましょう

Vibe Kanbanは、AIコーディングエージェントにカンバンボードで仕事を渡し、git worktreeで並列に動かしてレビューまで進めるオープンソースのツールです。開発元のbloopは2026年4月に会社を閉じ、クラウドの機能とカンバンボードの画面は終了しました。手元で動くワークスペースと差分のレビューは、今も無料で使えます。

Vibe Kanbanを試す価値は、計画とレビューを人が受け持ち、書く作業をAIに任せる進め方を体験できる点にあります。ただし、新しい版の公開は2026年4月から止まっていて、今後の開発の予定も公開されていません。

Vibe Kanbanを検討している人の次の行動は、以下のとおりです。

  1. 個人で並列実行を試すなら、Node.jsとClaude Codeを準備して「npx vibe-kanban」で始める
  2. 確認を残した設定で、ファイルが重ならない作業を2つだけAIに渡す
  3. 仕事で長く使うなら、Orca・Conductor・T3 Codeなど提供元が運営を続けているツールと比べる

AIを並列で動かす道具の選び方は、AIコーディングエージェントを並列で動かすツールの比較で確かめて、自分の仕事の進め方に合う1本を選んでください。

この記事の監修者

中島大介(なかじ)

中島大介(なかじ)

株式会社メリル 代表取締役 / 記事監修

株式会社メリル代表取締役。SEO歴20年以上。最新AIやセキュリティについて発信するYouTube「ウェブ職TV」は登録者15万人以上。著書「ChatGPT & Copilotの教科書」は10万部突破!

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