Orcaとは?AIエージェントを並列で動かす開発環境の仕組み・機能・料金を解説

複数のAIコーディングエージェントを同時に動かすための開発環境「Orca」が、公開から半年でGitHubのスター数6万件を超えて注目を集めています。Claude CodeやCodexを別々のターミナルで動かすと、どの作業がどこまで進んだかを追うだけで手間がかかります。Orcaは、AIごとの作業場所と変更内容を1つの画面にまとめるアプリです。
この記事では、Orcaの仕組みと主な機能・料金・向いている人を解説します。記事を読めば、Orcaが自分の開発環境に必要かを判断できます。Orca本体は無料で、普段使っているAIの契約をそのまま接続して使う道具です。
OrcaとはAIコーディングエージェントを並列で動かす開発環境

Orcaは、複数のAIコーディングエージェントを並べて動かすためのデスクトップアプリです。公式ドキュメントでは「複数のAIコーディングエージェントを横に並べて実行するデスクトップIDE」と定義されています。開発元はサンフランシスコのStably AIで、Y Combinatorの出資を受けた企業です。Orca公式ドキュメント、Stably AIのY Combinatorプロフィール
Orcaの基本情報は、以下の表のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 製品の種類 | AIエージェント向けの開発環境(ADE) |
| 開発元 | Stably AI(サンフランシスコ・Y Combinator出資) |
| 公開時期 | 2026年3月にGitHubで公開 |
| 料金 | 無料(MITライセンスのオープンソース) |
| GitHubスター数 | 6.7万件(2026年9月13日時点) |
| 対応OS | macOS・Windows・Linux |
| 対応エージェント | Claude Code・Codex・Cursor CLIなど30種類以上 |
| スマートフォン連携 | iOS・Android向けのベータ版アプリ |
| 実行場所 | 手元のパソコン・SSH接続先・リモートサーバー |
Orcaを正しく理解するために押さえたい前提は、以下のとおりです。
- OrcaはAIモデルではなくAIを動かす側のアプリ
- ADEはIDEをAIエージェント前提に作り直した環境
- 同名の別ソフトと混同しない
OrcaはAIモデルではなくAIを動かす側のアプリ
Orcaは、AIモデルそのものではありません。ChatGPTやClaudeのように文章やコードを生成するのはClaude CodeやCodexなどのエージェントで、Orcaはエージェントを起動し、作業場所と結果を管理する側のアプリです。GitHubの説明文にも「自分の契約でどのコーディングエージェントでも動かせる」と書かれています。GitHubのOrcaリポジトリ
AIエージェントは、指示を受けてファイルの編集やコマンドの実行を自律的に進めるプログラムを指します。Orcaを入れただけではAIは動かず、Claude CodeやCodexのインストールとログインを別に済ませることが必要です。AIの利用料金も、接続するエージェント側の契約に従います。
ADEはIDEをAIエージェント前提に作り直した環境
Orcaは自らをADE(Agent Development Environment)と呼んでいます。公式サイトは、IDEが開発者のために作られたのに対し、ADEは開発者とそのエージェントのためにworktree・ターミナル・ブラウザ・CLIを1つのアプリにまとめたものだと説明しています。IDEはコードを書く人のための統合開発環境で、ADEはAIエージェントに仕事を任せて人が確認する前提の環境です。Orca公式サイト
具体的には、作業ごとに独立したフォルダ・ターミナル・ブラウザを用意し、複数のエージェントの進捗を1つの画面で見渡せる構成になっています。人が1行ずつコードを書く作業より、AIへの依頼と結果の確認を繰り返す作業に画面が最適化されている点がIDEとの違いです。
同名の別ソフトと混同しない
「Orca」の名前は、複数の分野で使われています。検索すると、同じ名前の別ソフトも表示されます。日本医師会のレセプトソフト「日医標準レセプトソフト(ORCA)」・量子化学計算ソフトのORCA・クラウドセキュリティのOrca Security・Linuxの画面読み上げソフトGNOME Orcaが代表例です。開発環境のOrcaは公式サイトがonorca.devで、GitHubの組織名はstablyaiです。
Linux版のOrcaは、GNOME Orcaとコマンド名が衝突しないよう「orca-ide」の名前でインストールされます。公式のインストール案内にも、名前の衝突を避けるための命名だと明記されています。Orcaのインストール
Orcaの仕組み

Orcaの画面は、Gitのworktreeを中心に組み立てられています。仕組みを理解するために押さえたい要素は、以下の3つです。
- worktreeごとに作業フォルダを分ける
- エージェントセッションはworktree・ターミナル・エージェントの組み合わせ
- 状態表示と通知で進捗を追う
worktreeごとに作業フォルダを分ける
Orcaでは、AIに任せる作業1件ごとにGitのworktreeを作ります。worktreeは、1つのリポジトリに対して複数の作業フォルダを用意するGitの標準機能です。公式ドキュメントでは、1つのチェックアウトでブランチを切り替える代わりに「タスクごとにリポジトリのコピーをディスク上に持つ」設計だと説明されています。Orcaのworktree
Gitは、ファイルの変更履歴を記録する仕組みです。リポジトリはコードと履歴をまとめた単位で、ブランチは履歴の分岐を指します。Orcaで作ったworktreeは通常のGit worktreeそのものなので、VS Codeや通常のターミナルから同じフォルダを開いて作業を続けられます。
worktreeを分ける利点は、複数のAIが同時に動いても編集中のファイルが混ざらない点です。片方のAIが画面の文言を直している間に、もう片方が別機能の不具合を直しても、お互いのフォルダには影響しません。完成した変更をまとめる段階では、共通部分の整合性を人が確認します。
エージェントセッションはworktree・ターミナル・エージェントの組み合わせ
Orcaは、エージェントセッションを「1つのworktreeの1つのターミナルで動く1つのCLIエージェント」と定義しています。CLIは、文字のコマンドで操作する方式で、Claude CodeやCodexはCLIとして提供されるエージェントです。Orcaは対応するCLIをパソコンから自動検出し、worktreeを作ると同時に選んだエージェントを起動します。エージェントとセッション
エージェントの選択欄には、Claude Code・Codex・Cursor CLIなどが並びます。選択欄はターミナルでプロセスを起動する仕組みなので、公式の対応表にないCLIエージェントも同じ方法で起動することが可能です。使用するモデルや認証は、エージェント側の設定がそのまま使われます。
状態表示と通知で進捗を追う
Orcaは、各エージェントの状態をタブとサイドバーの記号で表示します。公式ドキュメントに示された記号の意味は、以下の表のとおりです。
| 記号 | 状態 |
|---|---|
| スピナー | 作業中 |
| 琥珀色の「?」 | 入力や許可を待っている |
| 緑のチェック・点 | 完了 |
| 赤い点 | 中断・失敗 |
| 灰色の点 | 待機中 |
エージェントが作業を終えると、OSの通知音とヘッダーのベルアイコンで知らせが届きます。通知をクリックすると該当のworktreeへ移動できるため、複数のAIを動かしている間に別の作業をしていても、確認が必要なタイミングを逃しにくい構成です。Orcaの通知
Orcaの主な機能

Orcaには、AIを動かす機能に加え、結果を確認して次の指示につなげる機能が揃っています。主な機能は、以下のとおりです。
- 複数のworktreeを分割表示で並べる
- 30種類以上のCLIエージェントを既存の契約で使う
- 差分に付けたコメントをAIへ送る
- 内蔵ブラウザとDesign Modeで画面の要素を指定する
- コミットからプルリクエスト作成までアプリ内で完了する
- AIの使用量とアカウントを切り替える
- スマートフォンやリモート環境から操作する
複数のworktreeを分割表示で並べる
Orcaでは、worktreeのタブを画面の右端または下端へドラッグすると、画面が分割されます。分割は入れ子にでき、worktreeごとに配置が保存されるため、切り替えても前回の並びが復元される仕組みです。公式の初回ガイドでは、3つのエージェントを分割表示で同時に見守る手順が紹介されています。タブ・ペイン・分割、最初のセッション
アプリを閉じて開き直しても、開いていたworktreeとターミナルの分割、分割した画面ごとの出力履歴が復元されます。バックグラウンドのデーモンがエージェントのプロセスを保持するため、アプリの終了や自動更新をまたいでもAIの作業は続く仕組みです。パソコンの再起動時だけは、プロセスが終了します。セッションの復元
30種類以上のCLIエージェントを既存の契約で使う
公式の対応表には、Claude Code・Codex・Cursor CLI・Gemini・GitHub Copilot CLI・OpenCode・Aiderなど30種類以上のエージェントが並びます。Claude Code・Codex・Cursor CLIの3つは「Deep integration」に分類され、使用量の表示やアカウント切り替え、状態検出などの追加機能に対応する扱いです。対応エージェント
エージェントは、利用者がすでに契約しているアカウントで動きます。Claude Codeを使うにはClaudeの有料プランかAPIの利用契約、Codexを使うにはChatGPTのアカウントが別途必要です。Orcaが利用者の代わりにモデルを呼び出したり、利用料を代行請求したりする仕組みはありません。
差分に付けたコメントをAIへ送る
Annotate AI Diffは、AIが変更したコードの行にコメントを書き、まとめてAIへ返す機能です。差分ビューアで対象の行にカーソルを合わせると「+」が表示され、クリックするとコメントを入力できます。「Send to agent」を押すと、Orcaがすべてのコメントを行番号付きの1つの指示にまとめ、送信先のエージェントを選ぶメニューを開く流れです。Annotate AI Diff
コメントは対象の行に固定され、コードが編集されて行がずれても追従します。解消した指摘は「Resolve」で畳み、未解消のコメントだけが次回の送信に含まれます。チャット欄に「3番目のファイルの20行目あたりを直して」と説明し直す手間がなくなる点が利点です。
Orcaは、AIが書いた行と人が書いた行を区別する目印も差分ビューアの余白に表示します。AIの変更だけを重点的に読みたいときに役立つ機能で、目印の情報はコミットには含まれません。変更の帰属表示
内蔵ブラウザとDesign Modeで画面の要素を指定する
Orcaの各worktreeには、Chromiumベースのブラウザが内蔵されています。アドレスバーや履歴、開発者ツールを備えた本物のブラウザで、開発中のWebアプリをアプリ内で表示することが可能です。タブとスクロール位置はworktreeごとに保存されます。内蔵ブラウザ
Design Modeは、内蔵ブラウザのツールバーで有効にすると、クリックした要素の情報をAIへの指示に添付する機能です。添付されるのは要素のHTMLと計算済みのCSS、切り抜いたスクリーンショットで、開発用のソースマップがあればソースファイルの位置も含まれます。「ボタンの余白を狭くして」のような指示を、要素を指しながら伝えられます。Design Mode
コミットからプルリクエスト作成までアプリ内で完了する
Orcaの差分ビューアの横には、コミット用のパネルがあります。変更をファイル単位や行の塊単位でステージし、「Generate with AI」でコミットメッセージを生成してコミットする流れです。プッシュ後は、同じパネルからプルリクエストを作成でき、タイトルと説明文もAIで生成できます。コミットとプッシュ
対応する開発プラットフォームは、GitHub・GitLab・Bitbucket Cloud・Azure DevOps・Giteaです。GitHubでは、プルリクエストの状態やCIの失敗をworktreeの横に表示し、自動マージの有効化もアプリ内から操作できます。課題管理はLinearとJiraに対応し、課題からworktreeを作る操作も用意されています。GitHub連携
AIの使用量とアカウントを切り替える
Orcaのステータスバーには、接続したエージェントの使用量が表示されます。対応するのはClaude Code・Codex・Gemini・OpenCode・Kimi Code・MiniMaxで、5時間・日次・週次の利用枠と回復時刻、80%を超えたときの警告を確認できます。数値はエージェントがパソコンに保存した記録を読む仕組みで、Orcaが提供元のAPIを呼ぶことはありません。使用量の表示
CodexとClaude Codeでは、複数のアカウントを登録してステータスバーから切り替えられます。個人用と仕事用のアカウントを分けている場合や、片方の利用枠を使い切ったときに、新しく起動するエージェントの接続先を変えられる機能です。Codexのアカウント切り替え
スマートフォンやリモート環境から操作する
Orcaには、iOSとAndroid向けの連携アプリがベータ版として提供されています。公式ドキュメントでは「すでに動いているデスクトップのリモコン」と位置付けられています。可能な操作は、エージェントの状態確認・入力待ちへの返信・ターミナル出力の閲覧・コミットなどです。スマートフォン単体で開発環境が動くわけではありません。モバイル連携
実行場所は、手元のパソコンに加えてSSH接続先のコンピューターと、ベータ版のリモートOrcaサーバーを選べます。実験的機能として、利用者のクラウドアカウントでworktreeごとに作業環境を起動するCloud VMも用意されている段階です。SSH接続では、エージェントとGitの処理が接続先で動きます。エディタ・差分・ブラウザは手元で表示される構成です。リモートのコンピューターやクラウドの費用は利用者側で用意する形で、Orcaがホスティングを販売する仕組みはありません。実行場所の選択
Orcaで使えるAIエージェントと対応環境

Orcaで使う前に確認したいのは、手持ちのAIとパソコンが対応しているかです。代表的なエージェントの対応状況は、以下の表のとおりです。
| エージェント | 提供元 | Orcaでの対応 |
|---|---|---|
| Claude Code | Anthropic | Deep integration(使用量表示・アカウント切替・hooks) |
| Codex | OpenAI | Deep integration(使用量表示・アカウント切替) |
| Cursor CLI | Cursor | Deep integration |
| Gemini CLI | 対応 | |
| GitHub Copilot CLI | GitHub | 対応 |
| OpenCode・Aider・Goose・Clineなど | 各提供元 | 対応 |
| 表にないCLIエージェント | 各提供元 | ターミナルで起動して利用 |
対応OSはmacOS(Apple SiliconとIntel)・Windows 10と11の64bit版・Linux(AppImage・deb・rpm)です。macOSではHomebrewでのインストールにも対応しています。画面の表示言語は日本語を選べ、macOSの日本語キーボードで円記号をバックスラッシュとして扱う設定も選択可能です。インストール、設定リファレンス
エディタ部分には、VS Codeと同じMonacoエディタが使われています。ファイル編集や検索、自動保存に対応しますが、拡張機能を追加する仕組みは公式ドキュメントに記載がありません。公式ドキュメントでは、型チェックや静的解析はエディタに組み込まず、ターミナルで実行する方針だと説明されています。Orcaのエディタ
Orcaの料金

Orca本体の料金は無料です。GitHubでMITライセンスのオープンソースとして公開されており、公式サイトにも料金ページは存在しません。有料プランや企業向けの席単位の課金も案内されていません。Orca公式ダウンロードページ、GitHubのOrcaリポジトリ
実際にかかる費用は、接続するAIエージェント側の契約です。費用の構成は、以下のとおりです。
- Orca本体の費用はゼロ
- AIエージェントの費用は各提供元の契約に従う
- リモート実行の費用は自分で用意する
Orca本体の費用はゼロ
Orcaのアプリは、公式サイトとGitHubのリリースページから無料でダウンロードできます。利用にOrcaのアカウントは必須ではありません。アカウントが求められるのは、作成したファイルを公開リンクで共有するArtifacts機能や、スマートフォン連携で中継サーバーを使う場合です。設定リファレンス
ソースコードが公開されているため、動作の中身を確認したり、自社の方針に合わせて改変したりできます。公式のプライバシーポリシーでは、ソースコードやAIエージェントのAPIキーを収集しないと明記されています。プライバシーポリシー
AIエージェントの費用は各提供元の契約に従う
代表的なエージェントを使うために必要な契約は、以下の表のとおりです。料金は2026年9月13日に各公式サイトで確認した月額で、いずれも米ドル表示です。
| 使いたいエージェント | 必要な契約 | 月額の例 |
|---|---|---|
| Claude Code | Claudeの有料プラン | Pro 20ドル・Max 100ドルから |
| Codex | ChatGPTのプラン | Plus 20ドル・Pro 100ドルから(FreeとGoでも利用可) |
| Cursor CLI | Cursorのプラン | Pro 20ドル(Hobbyは無料・利用回数制限あり) |
| GitHub Copilot CLI | GitHub Copilotのプラン | Pro 10ドル(Freeでも利用可・利用量に制限あり) |
Claudeの料金ページでは、Claude Codeはすべての有料プランに含まれ、プランの利用枠を共有すると案内されています。ChatGPTの料金ページによると、CodexはFree・Go・Plus・Pro・Business・Edu・Enterpriseの各プランに含まれる扱いです。Claudeの料金、ChatGPTとCodexの料金、Cursorの料金、GitHub Copilotのプラン
複数のAIに同じ課題を並列で解かせると、それぞれの契約で利用枠を消費します。Orcaの使用量表示は残量の目安として役立ちますが、確定した請求額は各提供元の管理画面で確認します。
リモート実行の費用は自分で用意する
SSH接続先やリモートOrcaサーバーで動かす場合、サーバーやクラウドの費用は利用者が契約します。公式ドキュメントには「Orcaは管理されたホスティングを提供しない」と明記されており、クラウドアカウントと課金の管理は利用者側の責任です。手元のパソコンだけで使うなら、追加費用はかかりません。実行場所の選択
Orcaを使う前に知っておきたい注意点

Orcaは無料で導入しやすい一方、既定の設定と前提には確認が必要な点があります。注意点は、以下の4つです。
- エージェントの権限確認を省略する設定が既定
- worktreeは作業フォルダを分けるだけでパソコンへのアクセスは制限しない
- 匿名の利用統計の送信設定を確認する
- ベータ版や実験的機能が多い
エージェントの権限確認を省略する設定が既定
Orcaは、新しく起動するエージェントに権限確認を省略するフラグを自動で付けます。公式ドキュメントには、Claude Codeなら「--dangerously-skip-permissions」、Codexなら「--dangerously-bypass-approvals-and-sandbox」を起動時に付与すると明記されています。理由は、公式ドキュメントによれば、worktreeが使い捨てにできる点です。コマンドの実行を毎回確認しなくても、差分ごと捨てられるためです。対応エージェントと権限
操作ごとの確認を残したい場合は、Settings→Agents→Agent Permissionsで「Yolo」から「Manual」へ切り替えます。個別に起動引数を変更したエージェントは、全体設定の切り替え対象から外れます。業務のコードで使う場合は、最初に設定を確認してから作業を始める判断が必要です。
worktreeは作業フォルダを分けるだけでパソコンへのアクセスは制限しない
worktreeで分離されるのは、編集対象のファイルです。エージェントはパソコンのほかのフォルダやネットワークにアクセスでき、Orcaが権限確認を省略する設定と組み合わさると、意図しない操作が止まらずに実行される可能性があります。VS Codeの公式ドキュメントも、worktreeが分離するのは作業ファイルであってマシンや外部サービスへのアクセスではないと注意しています。VS Codeのworktreeに関する注意
本番用の認証情報を含む設定ファイルを新しいworktreeへ共有しない、確認したい操作はManualに切り替える、といった運用が前提です。エージェント側のサンドボックス設定やデータの扱いも、Orcaとは別に確認します。
匿名の利用統計の送信設定を確認する
Orcaには、匿名の利用統計を送信する設定があります。送信されるのはアプリの起動回数やworktreeの数、起動したエージェントの種類などです。ファイルのパスやリポジトリ名・プロンプト・コードは含まれないと公式ドキュメントに明記されています。テレメトリー
送信を止めたい場合は、Settings→Privacyの「Share anonymous usage data」をオフにします。環境変数のDO_NOT_TRACK=1でも無効化が可能です。社内の規定で利用統計の送信を禁止している場合は、初回起動後に設定を変えるだけで対応できます。
ベータ版や実験的機能が多い
Orcaは2026年3月に公開され、更新が頻繁です。GitHubのリリース一覧では、2026年8月3日のv1.4.167から9月11日のv1.4.200まで、約40日で30回以上のバージョンが公開されています。スマートフォン連携とリモートOrcaサーバーはベータ版で、チャット形式のUIやエージェントのダッシュボード、複数エージェントのオーケストレーションは実験的機能の段階です。変更履歴、GitHubのリリース一覧、チャットUI、オーケストレーション
更新が早い分、画面の名称や機能の位置が変わる可能性があります。導入時は公式ドキュメントの最新版を確認し、実験的機能は検証用のプロジェクトで試してから業務に使う進め方が安全です。
Orcaが向いている人・向いていない人

Orcaの公式ドキュメントは、対象を「すでに仕事でコードを書いていて、AIを代わりではなく手段として使いたい人」としています。向き不向きは、以下の2つに分けて確認します。Orca公式ドキュメント
- Orcaが向いている人
- Orcaが向いていない人
Orcaが向いている人
Orcaは、複数のAIエージェントをすでに使っている人ほど効果が出やすい環境です。向いている人の特徴は、以下のとおりです。
- Claude CodeとCodexなど複数のCLIエージェントを使い分けている人
- 独立した修正や機能追加を同時に進めたい人
- AIの変更をGitの差分で確認し、修正指示を繰り返している人
- 長時間の作業をAIに任せ、外出先や別の作業の合間に進捗を見たい人
- 使い慣れたエージェントの契約を変えずに管理画面だけ整えたい人
いずれの場合も、Gitの差分を読んで採否を判断できることが前提です。AIが「完了」と報告した変更をそのまま公開せず、動作とコードを確かめる作業はOrcaを使っても残ります。
Orcaが向いていない人
1つのAIとのやり取りで作業が完結している人は、Orcaを追加しても効果を得にくい傾向です。新しい操作を覚える時間と、worktreeやブランチを扱うGitの知識が必要になるためです。コードの確認を必要としないノーコードのサービスとも、想定する利用者が異なります。
VS Codeの拡張機能やデバッグ機能を手放せない人も、全面的な移行には向きません。Orcaのエディタは拡張機能に対応せず、型チェックや静的解析はターミナルで実行する方針です。AIへの依頼と確認はOrca、細かい手直しはVS Code、と役割を分ける併用が現実的な選択肢です。OrcaとVS Codeの比較
Orcaは既存のAIをまとめて管理するための無料の開発環境

Orcaは、Claude CodeやCodexなどのCLIエージェントをworktreeごとに起動し、進捗と変更内容を1つの画面で管理する開発環境です。アプリ本体は無料のオープンソースで、費用は接続するAIの契約だけで済みます。
Orcaを理解するうえでの要点は、以下のとおりです。
- OrcaはAIモデルではなく、既存のエージェントを動かして管理するアプリ
- 作業1件ごとにGitのworktreeを作り、ファイルの混在を防ぐ
- 差分へのコメントやDesign Modeで、修正指示を対象と結び付けて伝えられる
- 権限確認の省略が既定なので、利用統計の設定と合わせて最初に確認する
導入を検討する場合は、検証用のリポジトリで小さな修正を1件、依頼から確認まで通してみましょう。具体的な手順はOrcaの使い方で、導入効果の判断材料はOrcaのメリットで確認できます。



