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ローカルLLMとは?クラウドAIとの違いやメリット・できることを解説

中島大介(なかじ)読了時間 約16分
ローカルLLMのアイキャッチ

ローカルLLMの言葉を見かけるものの、ChatGPTなどの生成AIと何が違うのか分からない方も多いのではないでしょうか。社外に出せない情報をAIで扱いたいと考えていても、自社に必要なのかを判断できず、検討が止まっている場面もあるはずです。

この記事では、ローカルLLMの意味・クラウドAIとの違い・メリットとデメリット・できること・必要なもの・向いている会社・始め方を、実行するソフトとモデルの公式情報に沿って解説します(2026年10月4日時点)。

記事を読めば、ローカルLLMが自社に向いているのかと、試すときの最初の一歩が分かる状態です。結論は、ローカルLLMは入力した内容を外部に送らずに使える生成AIで、性能と手間ではクラウドAIに及ばない面があります。機密の情報を扱う業務に絞って、小さなモデルから試しましょう。

ローカルLLMとは自分のPCや社内のサーバーで動かす生成AI

ローカルLLMの基本は、以下の3つで押さえます。

  • LLMは文章を生成するAIの中心になる仕組み
  • ローカルLLMは手元の機器でLLMを動かす使い方
  • 公開されているモデルを実行するソフトで動かす

LLMは文章を生成するAIの中心になる仕組み

LLMは大規模言語モデルの略で、大量の文章を学習して、文章を理解したり生成したりするAIの仕組みです。ChatGPTやClaudeなどの生成AIは、LLMを中心に作られています。

多くの生成AIのサービスでは、LLMは提供する会社のクラウドの中で動いています。利用者が入力した内容は、インターネットを通じてクラウドに送られ、回答が返ってくる流れです。

ローカルLLMは手元の機器でLLMを動かす使い方

ローカルLLMは、クラウドではなく、自分のPCや社内のサーバーの中で動かすLLMを指します。ローカルは、手元の機器の中を意味する言葉です。

文章だけでなく画像なども含めて、手元の機器で動かすAIを広くローカルAIと呼ぶ場合もあります。

公開されているモデルを実行するソフトで動かす

ローカルLLMは、モデルを一から開発して使うものではありません。GoogleやOpenAIなどが公開しているモデルをダウンロードし、実行するソフトで動かします。

実行するソフトの代表は、LM StudioとOllamaです。どちらも無料で使い始められ、モデルのダウンロードから実行までを1つのソフトで行えます。

ローカルLLMとクラウドAIの違い

ローカルLLMとクラウドAIの違いは、以下の表のとおりです。

項目ローカルLLMクラウドAI
動かす場所自分のPCや社内のサーバー提供する会社のクラウド
入力した内容外部に送られない提供する会社に送られる
費用機器の購入費と電気代月額の料金や使った量に応じた料金
性能PCで動かせる大きさに限られる最新の大きなモデルを使える
管理更新と設定を自社で行う提供する会社が行う
インターネットなくても動かせる必要

違いのポイントは、以下の3つです。

  • 入力した内容が外部に送られるかどうかが違う
  • 費用のかかり方が違う
  • 性能と管理の手間が違う

入力した内容が外部に送られるかどうかが違う

最も大きな違いは、入力した内容の行き先です。クラウドAIでは、入力した内容が提供する会社のサーバーに送られます。

ローカルLLMは、処理が手元の機器の中で完結する仕組みです。LM Studioの公式ドキュメントは、チャットで入力した内容が端末の外に出ることはないと説明しています。

費用のかかり方が違う

クラウドAIは、月額の料金や、使った量に応じた料金を払います。ローカルLLMは、モデルと実行するソフトを無料で入手でき、使った量に応じた料金はかかりません。

代わりに、モデルを動かせる性能のPCを用意する費用がかかります。使う量が少ないうちは、機器を買わずに済むクラウドAIのほうが費用を抑えやすくなります。

性能と管理の手間が違う

PCで動かせるモデルは、クラウドで提供される最新のモデルより小さく作られています。回答の質は、クラウドAIが上回る場面があるのが現状です。

管理の手間も、違いの1つです。クラウドAIは提供する会社が更新を行いますが、ローカルLLMはソフトとモデルの更新を自社で行う必要があります。

ローカルLLMのメリット

ローカルLLMのメリットは、以下の4つです。

  • 入力した内容が外部に送られない
  • インターネットにつながなくても使える
  • 使った量に応じた料金がかからない
  • 用途に合わせてモデルを選べる

入力した内容が外部に送られない

最大のメリットは、入力した内容が機器の外に出ないことです。Ollamaの公式のよくある質問は、ローカルで実行する場合、利用者の指示やデータを開発元が見ることはないと説明しています。

顧客の情報や未公開の資料など、クラウドのサービスに入力しにくい情報を扱う業務で価値があります。

生成AIの情報漏洩はなぜ起こる?実際の事例と防ぐ対策・入力後の対応を解説

インターネットにつながなくても使える

モデルを一度ダウンロードすると、インターネットにつながなくても使えます。LM Studioの公式ドキュメントは、モデルとの対話や文書を使った対話にインターネットは必要ないと説明しています。

外部のネットワークにつなげない環境や、通信が不安定な場所でも使える点が利点です。モデルの検索とダウンロードのときだけ、インターネットが必要になります。

使った量に応じた料金がかからない

LM StudioとOllamaには無料のプランがあり、モデルも無料で入手できます。どれだけ使っても、使った量に応じた料金は発生しません。

大量の文書を繰り返し処理する業務では、費用を見通しやすくなります。

用途に合わせてモデルを選べる

公開されているモデルの中から、用途とPCの性能に合うものを選べます。文章の作業に向くモデルもあれば、プログラムの作成や画像の読み取りに向くモデルもあります。

提供する会社の都合でモデルが入れ替わることがなく、同じモデルを使い続けられる点も特徴です。

ローカルLLMのおすすめモデル!PCの性能と用途別の選び方を解説

ローカルLLMのデメリット

ローカルLLMのデメリットは、以下の4つです。

  • 回答の質はクラウドの最新のモデルに及ばない場合がある
  • モデルを動かせる性能のPCが必要になる
  • 設定と運用を自社で行う必要がある
  • モデルごとにライセンスが違う

回答の質はクラウドの最新のモデルに及ばない場合がある

PCで動かせる大きさのモデルは、クラウドの最新のモデルより小さいものです。複雑な推論や長い文章の作成では、回答の質に差が出る場合があります。

ローカルLLMも、事実と違う内容を答えることがあります。回答を確かめる作業は、クラウドAIと変わらず必要です。

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モデルを動かせる性能のPCが必要になる

モデルは、PCのメモリに読み込んで動かします。LM Studioが推奨するメモリは、16GB以上です。

大きなモデルを動かすには、大容量のメモリか高性能なGPUが必要です。Ollamaは、強力なGPUのないPCでは大きなモデルの回答が遅くなると説明しています。

設定と運用を自社で行う必要がある

ソフトとモデルの更新・不具合への対応・チームで使うための設定は、自社で行います。クラウドAIのように、契約してすぐに全員が使える形ではありません。

担当する人を決めずに始めると、古い状態のまま使われなくなります。

モデルごとにライセンスが違う

モデルは無料で入手できますが、利用の条件はモデルごとに違います。Apache 2.0やMITは、商用の利用を認めているライセンスです。

独自のライセンスで公開されているモデルもあります。業務で使う前に、モデルの公式ページで確かめてください。

ローカルLLMでできること

ローカルLLMでできることは、以下の5つです。

  • 文章の要約・下書き・翻訳ができる
  • 社内の文書について質問できる
  • 画像や書類を読み取れる
  • プログラムの作成を補助できる
  • チームで共有して使える

文章の要約・下書き・翻訳ができる

議事録の要約・メールの下書き・文章の言い換え・翻訳など、文章の作業が基本の用途です。顧客の情報を含む文章でも、外部に送らずに処理できます。

社内の文書について質問できる

社内の文書を読ませて、内容について質問する使い方も代表的な用途です。LM Studioでは、Word・PDF・テキストの文書をチャットに添付できます。

文書が長い場合は、質問に関係する部分を探し出して使う仕組みが働きます。社内の規程やマニュアルを調べる用途に向いた機能です。

画像や書類を読み取れる

画像の入力に対応したモデルを選ぶと、画像や書類の読み取りにも使えます。GoogleのGemma 4は、書類やPDFの読み取り・グラフの理解・文字の認識に対応すると説明されています。

当記事で扱うモデルは文章を出力するモデルで、画像の生成はできません。画像を生成するには、画像生成用の別のモデルが必要です。

プログラムの作成を補助できる

プログラムの作成に向くモデルもあります。Ollamaは、Claude CodeやCodex CLIとつなげて、ローカルのモデルで開発の作業を行う使い方に対応しています。

ローカルLLMでコーディングする方法!おすすめモデルと設定・注意点を解説

Claude CodeでローカルLLMを使う方法|Ollama連携の手順と注意点

チームで共有して使える

1台のPCやサーバーでモデルを動かし、複数の人がブラウザから使う形も作れます。Open WebUIは、Ollamaに対応した、自社で運用するAIの画面のソフトです。

完全にオフラインで動かせるよう作られていると、公式ドキュメントは説明しています。

ローカルLLMに必要なもの

ローカルLLMに必要なものは、以下の3つです。

  • モデルを動かせるPC
  • モデルを実行するソフト
  • 公開されているモデル

モデルを動かせるPC

最初に必要なのは、PCです。LM Studioは、MacではAppleシリコンを積んだ機種に対応し、Windowsでは4GB以上のGPU専用のメモリを推奨しています。

メモリは、どちらも16GB以上が推奨です。手持ちのPCで足りる場合は、新しく買わずに試せます。

ローカルLLMに必要なスペック!メモリとGPUの目安・PCの選び方を解説

モデルを実行するソフト

実行するソフトは、LM StudioかOllamaが候補です。LM Studioは画面の操作だけで使え、Ollamaはほかのツールとつなげやすい点が特徴になります。

公開されているモデル

主なモデルの容量とライセンスは、以下の表のとおりです。容量は、Ollamaの公式ライブラリの表示にもとづきます。

モデル開発元容量の例ライセンス
Gemma 4Google4.6GBからApache 2.0
Qwen3.5Alibaba1.0GBからApache 2.0
gpt-ossOpenAI14GBからApache 2.0

最初は、容量の小さいモデルから試すと失敗しにくくなります。

ローカルLLMが向いている会社と向いていない会社

ローカルLLMが向いているかどうかの目安は、以下の4つです。

  • 機密の情報を扱う業務が多い会社に向いている
  • インターネットにつなげない環境がある会社に向いている
  • 最新の高い性能が必要な会社はクラウドAIが合う
  • 管理する人を置けない会社はクラウドAIが合う

機密の情報を扱う業務が多い会社に向いている

顧客の個人情報・契約書・未公開の設計の資料など、社外に出せない情報を扱う業務が多い会社は、ローカルLLMが候補になります。入力のルールで禁じていた情報も、AIで扱える余地が生まれます。

インターネットにつなげない環境がある会社に向いている

工場や研究の施設など、外部のネットワークにつなげない環境でも、ローカルLLMなら動かせます。通信の障害やサービスの停止の影響を受けない点も利点です。

最新の高い性能が必要な会社はクラウドAIが合う

複雑な分析や長い文章の作成など、回答の質を最優先する業務には、クラウドAIが合います。法人向けのプランには、入力した内容を学習に使わない条件のものもあります。

機密の情報はローカルLLMに任せ、ほかの作業はクラウドAIに任せる使い分けが現実的です。

Claudeに学習させない設定を解説!Claude Code・法人での扱いも紹介

管理する人を置けない会社はクラウドAIが合う

ソフトの更新や設定を担当する人を置けない会社は、クラウドAIから始めるほうが確実です。ローカルLLMは、動かし続けるための手間がかかります。

ローカルLLMの始め方

ローカルLLMの始め方は、以下の3つです。

  • 実行するソフトをインストールする
  • 小さなモデルをダウンロードして試す
  • 業務で使う場面を1つ決める

実行するソフトをインストールする

LM StudioかOllamaを、公式サイトからダウンロードしてインストールします。初めての場合は、画面の操作だけで使えるLM Studioが始めやすい選択です。

ローカルLLMの作り方!必要なPCと無料の構築手順・注意点を解説

小さなモデルをダウンロードして試す

ソフトの中でモデルを検索し、容量の小さいモデルをダウンロードします。質問を入力して、回答の内容と速さを確かめてください。

業務で使う場面を1つ決める

試して終わりにせず、使う場面を1つ決めます。社外に出せない議事録の要約など、クラウドAIに入力できなかった作業が最初の候補です。

ローカルLLMのよくある質問

ローカルLLMについてよく出る疑問は、以下の5つです。

  • ローカルLLMとは何ですか?
  • LLMとローカルLLMの違いは何ですか?
  • ChatGPTとの違いは何ですか?
  • ローカルLLMは無料で使えますか?
  • スマートフォンでも動きますか?

ローカルLLMとは何ですか?

自分のPCや社内のサーバーの中で動かすLLMです。入力した内容を外部に送らずに、文章の要約や質問への回答に使えます。

LLMとローカルLLMの違いは何ですか?

LLMは、文章を生成するAIの仕組みを指す言葉です。ローカルLLMは、LLMをクラウドではなく手元の機器で動かす使い方を指します。

ChatGPTとの違いは何ですか?

ChatGPTは、OpenAIのクラウドで動く生成AIのサービスです。入力した内容は、OpenAIのサーバーに送られて処理されます。

ローカルLLMは、手元の機器の中で処理が完結します。回答の質はChatGPTなどの最新のモデルに及ばない場合がありますが、入力した内容は外部に送られません。

ローカルLLMは無料で使えますか?

モデルと実行するソフトは、無料で入手できます。かかる費用は、PCの購入費と電気代です。

スマートフォンでも動きますか?

小型のモデルの中には、スマートフォンでの動作を想定して作られたものがあります。Gemma 4の小型のモデルは、ノートPCやモバイル機器での動作向けに設計されています。

ただし、LM StudioとOllamaはPC向けのソフトです。業務で使う場合は、PCで始めることをおすすめします。

ローカルLLMは機密の情報を扱う業務から試しましょう

ローカルLLMは、自分のPCや社内のサーバーの中で動かす生成AIです。入力した内容が外部に送られない利点がある一方で、性能と管理の手間ではクラウドAIに及ばない面があります。

まずは、手持ちのPCに実行するソフトを入れ、小さなモデルを試しましょう。社外に出せない情報を扱う業務を1つ選び、クラウドAIと使い分けてください。

この記事の監修者

中島大介(なかじ)

中島大介(なかじ)

株式会社メリル 代表取締役 / 記事監修

株式会社メリル代表取締役。SEO歴20年以上。最新AIやセキュリティについて発信するYouTube「ウェブ職TV」は登録者15万人以上。著書「ChatGPT & Copilotの教科書」は10万部突破!

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