Grok 4.6とは?料金・特徴・Grok 4.5との違い、Fable 5・GPT-5.6 Sol比較

Grok 4.6は、Fable 5やGPT-5.6 Solと比べて本当に高性能で安いのでしょうか。公開直後の評価には、xAIの比較表、独立系ベンチマーク、CursorやArenaのライブ結果が混在しており、数字だけを並べると判断を誤りやすくなります。
この記事では、Grok 4.6とは何か、API料金、50万トークンのコンテキスト、Grok 4.5との違いを整理します。さらに、Fable 5・GPT-5.6 Solとのベンチマークを、xAI公式発表と外部評価に分けて比較します。
結論からいうと、Grok 4.6は全分野で首位のモデルではありません。一方で、Artificial Analysisの総合指標ではFable 5に表示上1ポイント差、GPT-5.6 Solとは同点で、API基本単価はFable 5より入力が5分の1、出力が約8分の1です。高性能なAIエージェントを大量に動かしたい人にとって、価格性能比が大きな魅力です。
APIでAIを組み込む開発者、Cursorなどで複数ファイルの開発を任せたい人、Fable 5やGPT-5.6 Solからの乗り換えを検討している人向けに、2026年8月14日時点の情報を整理します。
Grok 4.6とは?基本仕様と利用できる場所

Grok 4.6は、xAIが2026年8月12日に公開したフロンティアAIモデルです。APIのモデル名は「grok-4.6」で、テキストと画像を入力し、テキストを出力します。知識のカットオフは2026年2月1日です。
推論設定はLow、Medium、High、Extra Highの4段階です。APIではExtra Highを「xhigh」と指定し、標準設定はHighです。Responses APIとChat Completionsに対応し、Function Calling、Web検索、X検索、コード実行などのツールを利用できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 公開日 | 2026年8月12日 |
| APIモデル名 | grok-4.6 |
| コンテキスト | 50万トークン |
| 入力 | テキスト、画像 |
| 推論設定 | Low/Medium/High/Extra High |
| 標準設定 | High |
| API | Responses API、Chat Completions |
| 主なツール | Function Calling、Web検索、X検索、コード実行 |
公式仕様はxAIのGrok 4.6ドキュメントで確認できます。
Grok 4.6の3つの特徴
Grok 4.6の特徴は、次の3点に整理できます。
- Fable 5に小差まで迫る総合指標
- 入力2ドル・出力6ドルという低いAPI基本単価
- 大規模なコードや資料を扱える50万トークンのコンテキスト
Artificial Analysis Intelligence Index v4.1.1では、Fable 5が62.073、GPT-5.6 Solが60.930、Grok 4.6が60.923です。Fable 5との差は約1.15ポイントで、GPT-5.6 Solとの差は0.007ポイントしかありません。もっとも、これは9つの評価を統合した一つの指標であり、モデルの全能力が1ポイント差という意味ではありません。
コンテキストは50万トークンです。大きなコードベースや長い資料の処理には十分実用的ですが、Fable 5の100万トークンと比べると半分です。また、Grok 4.5も50万トークンだったため、Grok 4.6で拡大したわけではありません。
Grok 4.6のAPI料金

Grok 4.6の標準料金は、100万トークンあたり入力2ドル、キャッシュ入力0.50ドル、出力6ドルです。ただし、プロンプトが20万トークン以上になる長文リクエストでは、入力4ドル、キャッシュ入力1ドル、出力12ドルと、すべて2倍になります。
| プロンプト長 | 入力 | キャッシュ入力 | 出力 |
|---|---|---|---|
| 20万トークン未満 | $2 | $0.50 | $6 |
| 20万トークン以上 | $4 | $1 | $12 |
xAIはGrok 4.5と同価格と説明しています。通常入力と出力の基本単価は同じですが、キャッシュ入力は通常枠が0.30ドルから0.50ドル、長文枠が0.60ドルから1ドルへ上がりました。そのため「すべての料金が完全に据え置かれた」と理解するのは正確ではありません。
Fable 5は入力10ドル・出力50ドル、GPT-5.6 Solは入力5ドル・出力30ドルです。基本単価で比べると、Grok 4.6はFable 5に対して入力5分の1・出力約8.3分の1、GPT-5.6 Solに対して入力40%・出力5分の1です。
| モデル | 入力 | 出力 | コンテキスト |
|---|---|---|---|
| Grok 4.6 | $2 | $6 | 50万 |
| Fable 5 | $10 | $50 | 100万 |
| GPT-5.6 Sol | $5 | $30 | 約100万 |
Grok 4.5とGrok 4.6の違い

Grok 4.5からの主な変化は、コンテキスト拡大や通常単価の値下げではなく、公開ベンチマーク上の性能向上です。xAIの公表値では、総合指標は56から61、DeepSWE 1.1は54.0%から65.9%、APEX-Agentsは47.1%から57.5%、Terminal-Bench 3.0は15.7%から26.0%へ伸びました。
| 評価 | Grok 4.5 High | Grok 4.6 High | 改善 |
|---|---|---|---|
| AA Intelligence Index | 56 | 61 | +5 |
| DeepSWE 1.1 | 54.0% | 65.9% | +11.9pt |
| APEX-Agents | 47.1% | 57.5% | +10.4pt |
| Terminal-Bench 3.0 | 15.7% | 26.0% | +10.3pt |
| CursorBench 3.2 | 66.7% | 69.9% | +3.2pt |
xAIは、より長い追加学習、高品質なエンジニアリングデータ、SFTとエージェント強化学習の改善を説明しています。コンテキスト長が同じであることから、長期タスクの改善は、コンテキスト拡大ではなく学習と自己検証の改善によるものと考えるのが自然です。ただし、それぞれの要因がどれだけ寄与したかは公開されていません。
xAI公式発表のベンチマーク比較


まず、xAIがGrok 4.6のリリース記事に掲載した比較表を見ます。この表はxAIの公式発表ですが、競合モデルの数値には各社のシステムカード、公開リーダーボード、各社の最良値が混在しています。完全に同じ条件でxAIが全モデルを測定した表ではありません。
| ベンチマーク | Grok 4.6 High | Grok 4.5 High | GPT-5.6 Sol Max | Fable 5 Max |
|---|---|---|---|---|
| AA Intelligence Index | 61 | 56 | 61 | 62 |
| GDPVal-AA v2 | 1753 | 1526 | 1728 | 1741 |
| CursorBench 3.2 | 69.9% | 66.7% | 67.2% | 70.5% |
| DeepSWE 1.1 | 65.9% | 54.0% | 73.0% | 70.0% |
| FrontierCode 1.1 Extended | 61.3% | 56.6% | 60.6% | 63.6% |
| APEX-Agents | 57.5% | 47.1% | 56.7% | 59.2% |
| Terminal-Bench 3.0 | 26.0% | 15.7% | 34.6% | 34.1% |
| APEX-SWE | 56.4% | 53.6% | — | 58.8% |
| AA-Briefcase | 1577 | 1313 | 1502 | 1574 |
| Harvey LAB | 15.8% | 12.9% | 2.5% | 11.3% |
この表でGrok 4.6が最も高いのはGDPVal-AA v2、AA-Briefcase、Harvey LABです。GPT-5.6 SolはDeepSWEとTerminal-Bench、Fable 5は総合指標、CursorBench、FrontierCode、APEX-Agents、APEX-SWEで最も高く、結果は混戦です。

比較条件にも注意が必要です。Grok 4.6とGrok 4.5はHigh、GPT-5.6 SolとFable 5はMaxで、推論予算が対称ではありません。この表から言えるのは、Grok 4.6が最高峰グループに入ったことまでです。全項目で最強になったわけではありません。
数値と脚注はxAIのGrok 4.6発表で確認できます。
外部ベンチマークでGrok 4.6を検証
xAIの発表表とは分けて、2026年8月14日時点の外部評価を確認します。評価サイトごとに課題、推論設定、実行環境が異なるため、異なる指標を平均して一つの順位にすることはできません。
CursorBench 3.2ではExtra Highが70.8%

CursorBench 3.2は、実際のCursorセッションをもとにした、曖昧で複数ファイルにまたがる開発課題です。ここではGrok 4.6 Extra Highが70.8%、Fable 5 Maxが70.5%、Grok 4.6 Highが69.9%、GPT-5.6 Sol Maxが67.2%でした。
| モデル | 成功率 | 1タスク費用 | 使用トークン | ステップ |
|---|---|---|---|---|
| Grok 4.6 Extra High | 70.8% | $2.81 | 41,136 | 46 |
| Fable 5 Max | 70.5% | $17.32 | 103,525 | 72 |
| Grok 4.6 High | 69.9% | $2.34 | 32,449 | 39 |
| GPT-5.6 Sol Max | 67.2% | $5.69 | 28,320 | 48 |
表示上はGrok 4.6 Extra Highが首位ですが、Fable 5との差は0.3ポイントです。Cursor自身も、小さなスコア差には統計的な意味がない可能性があると注意しています。性能はほぼ同等と見つつ、タスク費用はGrokがFableの約6分の1だった点に注目するのが実務的です。
xAI公式表がHighなのは、発表表に掲載された設定をそのまま紹介しているためです。Extra Highは非公式ではなく、APIでxhighとして正式に利用でき、Cursorも結果を公開しています。xAIが比較表でHighを採用した理由は説明されていません。
最新の結果はCursorBench 3.2で確認できます。
Artificial AnalysisではFable 5が表示上1ポイント上

Artificial Analysis Intelligence Index v4.1.1では、Fable 5 with fallbackが62.073、GPT-5.6 Sol Maxが60.930、Grok 4.6 Highが60.923です。GrokとSolの差は0.007ポイントで、優劣として解釈できる差ではありません。
| モデル | Intelligence Index | 1タスク費用 | 出力速度 |
|---|---|---|---|
| Fable 5 with fallback | 62.073 | $3.14 | 62.82 tok/s |
| GPT-5.6 Sol Max | 60.930 | $1.23 | 59.76 tok/s |
| Grok 4.6 High | 60.923 | $0.84 | 65.84 tok/s |
この測定ではGrokのタスク費用が0.84ドルで、Fable 5の3.14ドルに対して約4分の1でした。出力速度も3モデル中で最も速い結果です。ただし、Fableは拒否時に別モデルへ切り替えるfallback構成、SolはMax、GrokはHighであり、推論設定は完全にはそろっていません。
現行値と評価方法はArtificial AnalysisのGrok 4.6ページで確認できます。
Arenaの人間評価では一般対話とWeb開発で傾向が違う


Text Arenaは、二つの回答を人間が見比べて好みを選ぶ評価です。2026年8月13日の表示ではFable 5が1位、GPT-5.6 Sol Extra Highが18位、Grok 4.6 Highが43位で、一般対話の人間選好ではFable 5が優勢でした。Grok 4.6は投票数がまだ少なく、暫定扱いです。
一方、WebDev Arenaの表示順位はGrok 4.6、Fable 5、GPT-5.6 Solの順でした。ただし3モデルの信頼区間は重なり、Grokの投票数は他の2モデルより少なく、SolだけCodex harness表記です。Web・UI生成では3モデルがほぼ同等グループにいると見るのが安全です。
| 評価 | 表示上の順番 | 解釈 |
|---|---|---|
| Text Arena | Fable 5 → Sol → Grok 4.6 | 一般対話はFable 5が優勢 |
| WebDev Arena | Grok 4.6 → Fable 5 → Sol | 信頼区間が重なり実質は混戦 |
Arenaはライブ更新されるため、現在値はArena Leaderboardで確認してください。
長時間のAIエージェント処理はどこまで確認できるか
xAIはGrok 4.6について、複雑なタスクを多くのステップにわたって続ける能力を強調しています。宣伝文句だけで判断せず、複数アプリの実務課題、未知のコードベースの修正、公開ステップ数の3点から確認します。
APEX-AgentsではGrok 4.5から10.4ポイント改善

APEX-Agentsは、投資銀行、経営コンサルタント、企業法務の仕事を想定し、複数アプリをまたいで成果物を作る評価です。33の業務環境と480件のタスクがあり、人間なら数時間かかる仕事を含みます。
Grok 4.5 Highは47.1%、Grok 4.6 Highは57.5%で、10.4ポイント改善しました。Fable 5 Maxは59.2%、GPT-5.6 Sol Maxは56.7%で、3モデルの誤差幅は重なります。前世代からの改善は確認できますが、Grok単独の首位とは言えません。
評価の目的と現行値はMercorのAPEX-Agents Leaderboardで確認できます。
DeepSWE 1.1では11.9ポイント改善。ただしxAI公表値

DeepSWE 1.1は、91の実在するオープンソースリポジトリにおける113件の長期開発課題を対象とします。未知のコードを読み、複数ファイルを変更し、テストに失敗したら修正して再実行する能力を測ります。
xAIの公表値では、同じHigh設定でGrok 4.5が54.0%、Grok 4.6が65.9%です。ただし、2026年8月13日時点のDeepSWE公式リーダーボードにはGrok 4.6が掲載されていません。65.9%はxAI公表値であり、DeepSWE側で独立確認済みのライブ値ではありません。
同じxAI表ではFable 5が70.0%、GPT-5.6 Solが73.0%で、Grok 4.6は首位ではありません。
公開実測で確認できるのは平均39〜46ステップ

CursorBenchで公開されているGrok 4.6の平均ステップ数は、Highが39、Extra Highが46です。数十回の操作を必要とする複数ファイル課題で高い成功率を示したことは確認できます。
一方、何百ステップ、数日間の完全自律動作まで公開結果で実証されたわけではありません。「長時間のエージェント処理」という表現は、現時点では数十ステップの公開実測と、APEX-AgentsやDeepSWEの長期課題での改善に限定して受け取るべきです。
Fable 5・GPT-5.6 Sol・Grok 4.6の選び方

3モデルは、用途によって勝ち筋が異なります。総合順位を一つ決めるより、自分の業務で重要な評価とタスク費用を合わせて選ぶ方が失敗しにくくなります。
| 優先すること | 選びやすいモデル | 理由 |
|---|---|---|
| 総合指標・一般対話・長文 | Fable 5 | AA表示値とText Arenaで上、100万トークン |
| 深いコーディング・ターミナル | GPT-5.6 Sol | xAI表のDeepSWEとTerminal-Benchで上 |
| 価格性能比・大量API処理 | Grok 4.6 | 最高峰クラスの総合指標と低い基本単価 |
| Web・UI生成 | 3モデルを少量テスト | WebDev Arenaの信頼区間が重なる |
Grok 4.6は、運用回数が多いAIエージェント、コードベース調査、複数ファイルの編集、文書や表計算などの成果物作成に向きます。特に、Fable 5級の性能が必要でも、1タスクあたりの費用を抑えたい場面で有力です。

ただし、長いコンテキストを最優先するならFable 5、難しいコーディングやターミナル操作を重視するならGPT-5.6 Solが選びやすい場面があります。自社の実タスクを10〜30件ほど用意し、完了率、修正回数、総コストで比較してから切り替えるのが安全です。
GPT-5.6のSol・Terra・LunaやFable 5との比較は、Touch AIのGPT-5.6比較記事でも詳しく解説しています。
Grok 4.6についてよくある質問
Grok 4.6はいつ公開されましたか?
2026年8月12日に公開されました。APIのモデル名はgrok-4.6です。
Grok 4.6は日本から使えますか?
xAI API、Grok Build、Cursorなど、各提供経路の利用条件を満たせば日本から利用できます。地域、プラン、組織設定によって表示されるモデルが異なる場合があります。
Grok 4.6の料金はいくらですか?
100万トークンあたり、20万トークン未満のプロンプトでは入力2ドル、キャッシュ入力0.50ドル、出力6ドルです。20万トークン以上では入力4ドル、キャッシュ入力1ドル、出力12ドルになります。
Grok 4.6のコンテキストはGrok 4.5より増えましたか?
増えていません。Grok 4.5とGrok 4.6はどちらも50万トークンです。長期タスク性能の改善を、コンテキスト拡大だけで説明することはできません。
Grok 4.6 HighとExtra Highはどちらを選ぶべきですか?
通常は標準設定のHighから始めるのが無難です。CursorBenchではExtra Highにすると成功率が69.9%から70.8%へ上がりましたが、費用とステップ数も増えました。難しいタスクだけExtra Highへ切り替える運用が現実的です。
Fable 5やGPT-5.6 Solから乗り換えるべきですか?
APIやエージェントの実行量が多く、コスト削減を優先するならGrok 4.6を試す価値があります。一般対話、100万トークンの長文、深いコーディングやターミナル操作では、Fable 5やGPT-5.6 Solが向く場合があります。全面移行ではなく、実タスクの小規模評価から始めてください。
まとめ:Grok 4.6は最高峰クラスの性能を低価格で使いたい人向け

Grok 4.6は、Artificial Analysisの表示スコアでFable 5に1ポイント差、GPT-5.6 Solとは同点です。API基本単価はFable 5より入力が5分の1、出力が約8分の1で、実タスク費用もArtificial Analysisでは約4分の1、CursorBenchでは約6分の1でした。
一方で、総合指標と一般チャットの人間選好ではFable 5、DeepSWEやTerminal-BenchではGPT-5.6 Solが上です。Grok 4.6を「すべてで世界一」と評価するのは正確ではありません。
性能を大きく落とさず、AIエージェントやAPIを大量に回すコストを抑えたい場合、Grok 4.6は非常に有力な選択肢です。モデル名やトークン単価だけで決めず、自分のタスクにおける完了率と総コストで判断しましょう。
公式情報・参考リンク
xAI:Grok 4.6 model documentation


